減価償却するものを家事按分した場合の残価
簡単の為に20年で償却する2000万円の中古マンションを購入し、家事按分で半分を経費にするとします。
1年間で100万円の償却の半分である50万円を経費に出来ると思います。
この時、翌年のマンションの残価は900万円になるのでしょうか?それとも950万円になるのでしょうか?
税理士の回答
取得価額2,000万円-減価償却費100万円=残存簿価1,900万円ですから、900万円でも950万円でもありません。

回答します
事業用と家事用の共用の減価償却費の計算方法は
一旦資産として、全体(2000万円)の金額を計上した上で、以下の計算を行います。
建物価格(2000万円) × 減価償却率 × 本年中の償却期間 = 当年の減価償却費の金額(100万円)
当年の減価償却費の金額(100万円) × 事業専用割合(1/2)=経費計上する減価償却費の額(50万円) となります
そのため、期末帳簿価額(残存価額)は、2000万円 - 100万円 =1900万円となります。
青色決算書又は収支内訳書の「減価償却費の計算」の箇所を参考にされるとよろしいかと思います。
国税庁HPから様式を参考に添付します。
「青色決算書」3枚目になりますhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/r03/10.pdf
「収支内訳書」2枚目になりますhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/r03/07.pdf
米森先生
ご丁寧な回答ありがとうございます。
じゃあ家事按分で残存価格を減らしたら売却の時、すごく不利なんですね。。。

ベストアンサーをありがとうございます。
>売却の時、すごく不利なんですね。。。
結果として、全体を家事用としていたときよりも売却益が算出される可能性は高くになります。
なお、建物が「居住用」の場合で、居住用資産の3000万円控除は、事業用部分は対象となりませんのでご注意ください。
いずれにしても、法律の改正があるかも知れませんので、売却時には改めてご質問をされることをお勧めいたします。
本投稿は、2023年05月30日 16時48分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。