前期末取得価格について(土地価格は含む?)
「修繕・改良の額が前期末取得価額の10%以下か? 60万円超でも前期末取得価額の10%以下なら修繕費。それ以外は資本的支出。」という内容について質問です。
家屋の前期末取得価格が100万円、その土地の前期末取得価格が1200万円だったとします。
玄関ドアがぼろぼろなので、40万円で交換を行う事になりました。
この場合、土地・建物を合わせた前期末取得価格は1300万円なので、130万円以下であれば修繕費にできるのでしょうか?
税理士の回答
ご回答します。
ご質問は、法人税法基本通達7-8-4の内容と拝見しました。
7-8-4では、資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。
(1) その金額が60万円に満たない場合
(2) その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合
とあります。
ご質問者様は、玄関ドアの修繕とのことなので、建物に関しての修繕です。
通達には、『修理、改良等に係る固定資産』とありますので、10%の基準となるのは、建物の前期末取得価格が100万円が基準となり、土地部分は含まれません。
この通達は、修理する固定資産と修繕費の比率により、一定額以下であれば修繕費とする、と決めたもので、土地は修繕する必要はありませんので、建物が基準となります。
ご参考にしてください。
ご回答ありがとうございます!土地は含まれないのですね。
築35年の軽量鉄骨なのですが、資本的支出があるたびに、それぞれ27年償却しないといけないのでしょうか?
すごく手間で経理をしっかりやれる自信がありません。
ご回答遅れてすみません。
資本的支出をした場合は下記の取り扱いです。
資本的支出をした場合には、その資本的支出を行った減価償却資産と種類および耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして、その資本的支出を取得価額として減価償却を行う。
具体的には、もとの建物の耐用年数で減価償却するということです。
仮に、元の建物が27年の耐用年数で処理しているなら、同じく27年の耐用年数で償却します。
ご参考にしてください。
ご回答ありがとうございます。
資本的支出の処理方法について承知しました。
結論としては今回の例では、修繕費として処理できるのは60万円までということですね。
この60万円というのは、「1回の支出あたり」といつことでしょうか?
それとも「年間の合計」ということでしょうか?
ご回答します。
一つの修理、改良などの金額のうちに、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額がある場合の判定です。
1 その支出した金額が60万円未満のときまたはその支出した金額がその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10パーセント相当額以下であるときは修繕費とすることができます。
という解釈ですので、「一つの修繕のうち60万円までは修繕費で残りが資本的支出になる」、「年間60万円までは修繕費になる」、ということではありません。
一回の工事の金額が60万円未満であれば修繕費になる、という解釈です。
ご注意下さい。
ありがとうございます!理解しました。
最後に玄関についての判断についてお伺いしたいです。
玄関がボロボロになっているので、玄関ドアをランマや袖ガラスごと交換する事を考えています。
木製ドアでも40万くらいするのですが、同じくらいの費用でアルミ製ドアも購入できてしまいます。
ランマ等のガラスも断熱性の高いものになるのですが、この場合は資本的支出となってしまうのでしょうか?
本投稿は、2024年06月05日 10時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。