資産の減価償却費について
マンション売却に伴い、譲渡所得の確定申告を行う予定です。
確定申告を行う際、建物部分の減価償却費の算出が必要になるかと思いますが、売却したマンションが中古であったため、土地、建物の価格配分が不明です。
令和2年度の固定資産税納税通知書に記載されている評価額から、購入時の土地、建物の価格を算出していいのでしょうか?
中古マンション購入は平成20年で売却は令和2年です。
税理士の回答

鎌田浩司
固定資産税の評価額で計算しません。
床面積×建築年ごとの標準的な建築価格を基に、減価償却します。
床面積×建築年ごとの標準的な建築価格を基に算出すると、購入価格を上回ってしまいます。この場合はどうしたらいいでしょうか?

鎌田浩司
全国一律の単価で計算しますので、異常値になることはあります。
中古で取得した場合、新築年から平成20年まで償却します。
そして、償却残が建物部分の取得金額として計算します。
平成13年新築平成20年1800万で購入した場合どうなりますか?

鎌田浩司
建物の床面積は何㎡ですか?
鉄骨鉄筋コンクリートと鉄筋コンクリートでは単価が違います、どちらですか?
新築の年月日は、平成13年の何月何日ですか。
購入は、平成20年の何月何日ですか?
床面積102.41㎡
鉄骨鉄筋コンクリート造
平成15年4月28日新築(平成13年ではなく2003年の間違いでした。)
平成20年10月28日購入
令和2年6月16日売却となります。
よろしくお願いします。

鎌田浩司
187,300円×102.41=19,181,393円
19,181,393円×0.9×0.015×6年=1,553,692円
平成20年購入時の建物金額は、差額の17,627,701円とすることができます。
原則は、平成20年当時の時価で按分しますが、簡便法として前記の計算方法によることができます。
ありがとうございました。
大変よくわかりました。
ちなみに平成20年の時価での按分はどのように算出するのでしょうか?

鎌田浩司
時価は、時価に詳しい業者等に聞いたり、鑑定評価を依頼したり。
当時、その場所の土地の時価がいくらだったかを調べて、差額を建物金額とします。
なるほど。中々ハードルが高そうですね。それでは、教えていただいた簡便法で算出した購入時の建物価格からさらに売却時までの減価償却費を算出して確定申告に用いればいいですね。

鎌田浩司
書き忘れましたが、購入時の契約で消費税がある場合には、別の計算ができます。
平成20年当時の消費税は5%。
例えば、購入金額に含まれる消費税が75万円の場合は、5%で逆算して1,500万円が建物金額。
これに75万円を加算して、1,575万円となります。
75万円÷5%×1.05=1,575万円
※土地は、消費税が非課税です。
減価償却は、業務用と非業務用で計算が異なります。
(非業務用)
償却率が0.015。
経過年数は、1年未満の端数を6か月以上を1年、6か月未満を切り捨てて計算します。
例えば、経過年数が11年7か月19日で、12年経過。
購入金額×0.9×0.015×12=償却される金額
と計算します。
消費税の記載はありませんでした。
昨年に住宅ローン減税を適用してマンションを購入しているので、3000万円の控除や軽減税率の特例が使えず残念です。

鎌田浩司
住宅借入金控除と3,000万円控除は、別物件の場合併用できません。
ただし、選択は可能です。
例えば、住宅借入金控除を将来も含めて自己否認し、3,000万円控除+軽減税率を受けることができます。
どちらを受けるか。
通常は金額の大きい方ですが、自己の判断で選べます。
本投稿は、2020年08月26日 19時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。