中古で購入し住んでいた家を、賃貸に転用した場合の未償却残高と減価償却費の計算について
中古住宅を購入し、自宅として住んでいた(個人使用)家を賃貸(事業へ転用)にした場合について
転用時の未償却残高と減価償却費の計算についてお伺いしたいのですが、
建築年月 :昭和60年1月(経過年月14年7カ月)
中古で取得:平成11年8月(個人使用期間21年8カ月)
事業へ転用:令和 3年5月
取得価格 :300万円とした場合の転用時の未償却残高は、
取得価格300万円-(取得価格300万円×0.9×減価償却率<22年x1.5=33年>の0.031
×個人使用期間<5捨6入>22年)=1,841,400円
と言う計算で正しいのでしょうか。
それとも何かで見たのですが、
*転用時に、建物の耐用年数を経過している場合は(減価償却済となるため)取得価格の5%の金額が未償却残高に該当し、
未償却残高は、取得価格300万円×0.05=15万円となるのでしょうか。
もし、こちらが適用となるのであれば、
建物の耐用年数を経過している場合に対象となる期間は、
建築年月・中古で取得・事業で転用のどこからどこまでの期間が該当するのでしょうか。
また、この場合」に於ける耐用期間とは22年、22年×1.5倍の33年、
もしくは、法定耐用年数22年-経過年数14年7カ月×0.8の式で算出した10年のどれになるのでしょうか。
最後に取得日から考えて、旧定額法を使用するので宜しいのでしょうか。
御教授頂けますようお願い申し上げます。
税理士の回答
1 転用時の未償却残高
(1) 償却率 22年×1.5=33年→0.031(旧定額法)
(2) 非業務用期間の減価の額 300万円×0.9×0.031×22年(平成11年8月~令和3年4月→21年8カ月→22年)=1,841,400円
(3) 未償却残高 300万円-1,841,400円=1,158,600円
2 令和3年の減価償却費
(1) 償却率
イ 経過年数 昭和60年1月~平成11年8月→14年7カ月→175カ月(日にちがわかりませんのでご記載の通りにしました。6カ月は超えていると思いますので、以下の計算に影響はありません。)
ロ 転用後の耐用年数(簡便法)
(264か月(法定耐用年数22年)-175カ月)+175カ月×20/100=124カ月→10年4カ月→10年(1年未満端数切捨て)
ハ 転用後の償却率 10年→0.100(平成19年3月31日以前取得のため旧定額法)
(2) 令和3年の減価償却費
300万円×0.100×8/12=200,000円
3 令和3年12月31日の未償却残高
1,158,600円-200,000円=958,600円
文章で回答するよりも実際の計算の方がお分かりいただけると思いましたので、上記の回答をさせていただきました。
詳細は、以下の国税庁タックスアンサーをご参照ください。(これに沿っての回答です。)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2108_qa.htm
前田先生
この度は早々にありがとうございます。
こちらの計算等の記載に誤りが有るなか、
ご丁寧かつ、おっしゃる通り実際の計算が記載されており、非常にわかりやすく大変助かりました。
すみません。1点計算に間違いがありましたので訂正させていただきます。
2 令和3年の減価償却費
(2) 令和3年の減価償却費
300万円×0.9×0.100×8/12=180,000円(旧定額法なので0.9を乗じる必要があります。)
3 令和3年12月31日の未償却残高
1,158,600円-180,000円=978,600円
お詫びして訂正させていただきます。
本投稿は、2022年01月31日 18時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。