売上返品後、廃棄処分する場合の仕訳について
初めて投稿させて頂きます。
宜しくお願い致します。
会計について勉強中でして、大変恐縮ですが、基本的なことをお伺い致します。
売上返品後、廃棄処分にしている商品について、返品後の仕訳処理を行った後、何らかの処理は必要になってくるのでしょうか。
売上が立ち、返品処理をしているから、特に仕訳しなくても会計上判断がつくから、そのままで大丈夫なのでしょうか。
それとも、廃棄処分をしているため、廃棄処分したことがわかる仕訳が必要になってくるのでしょうか。
お手数をかけますが、宜しくお願い致します。
税理士の回答
商品が返品されて売上代金を返金した場合の仕訳は次のようになると思います。
≪売上時≫
(借方)現金 *** (貸方)売上 ***
≪返品時≫
(借方)売上 *** (貸方)現金 ***
会計処理としてはこれ以外には必要ないと考えます。
なお、廃棄処分する場合には後日のために廃棄するときの写真を撮っておかれるとよいと思います。

出荷される際の仕訳により、必要となる仕訳が異なります。
対応する原価部分について、
売上原価 ×× 棚卸資産 ××
と期中されていれば、これを戻す仕訳も要ります。
棚卸資産 ×× 売上原価 ××
その上で、返品されたものはそのまま使い回しが出来るものであれば、
これで完了。
破棄しなければいけない時は、通常の返品以外の商品を破棄する時と同様、廃棄証明等、税務上の要件を充たす証拠を残しておくことになりますね。

売上に関する仕訳と、商品に関する仕訳の2つを考える必要がございます。
売上に関する仕訳は起票済みだと思いますので商品に関する質問にお答えいたします。
考えられるパターンは2つです。
①売上げたときに、売上原価も計上しているパターン
売上時(借方)売上原価 ×× (貸方)商品 ××
返品時(借方)商品 ×× (貸方)売上原価 ××
廃棄時(借方)売上原価(廃棄損)×× (貸方)商品 ××
②売上時は売上原価をせず、月末に実地棚卸で商品を計上している場合
仕訳なし
①の場合ですと、返品処理時に仕訳を起票しないで終わらせるパターンも考えられますが、後日本当に売れた売上原価と廃棄した売上原価の管理が仕訳上で分からなくなるので、廃棄がある程度予想される業種であれば分けて仕訳したほうが後々管理の上で良いかと思います。
仕訳が増えると手間も増えますので、費用対効果で決定していただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
先生の皆様、お忙しい中、御回答頂きありがとうございます。大変勉強になります。
ご返信頂き、再度一点だけ疑問がございます。
売上戻りの仕訳のみ行った後、特に仕訳せず廃棄処分した場合、仕入高もしくは売上原価がそのまま残ってしまっていると思います。
そうしたところ、売上高、損益等数字が合わなくなる可能性があると思いますが、その数字は販売費および一般管理費につけるのか、それとも特別損失に算入するのか、どちらが適切なのでしょうか。
再度のご質問で恐縮ではありますが、宜しくお願い致します。

仕訳しないと経費が過大では無く、本来、棚卸資産としてあるものが漏れてしまうことになります。
よって、返品を受けたら、棚卸資産として計上する。
ということをしないと、帳簿外の在庫が知らぬうちに溜まっていき、税務調査の際に棚卸状況等見たときに、顕在化する恐れがありますね。
費用の先行計上となってしまいますから。
何か勘違いが生じていませんか?
追加のご質問につきまして、回答申し上げます。
仰る通り、売上戻りの仕訳のみの場合には損益には影響ありませんが、原価率には影響いたします。
従って、返品されたものを原価率に反映させたくない場合には、次の仕訳を追加する必要があります。
≪廃棄時≫
(借方)雑損失 *** (貸方)仕入 ***
なお、雑損失は営業外費用または特別損失の部での処理になります。
宜しくお願いします。

会計基準上、特別損失は臨時巨額の場合に反映させる項目です。営業外費用は、名前の通り営業に関連しない項目で、金額が僅少なものなどを反映させます。
したがって、返品が日常的に発生するような業態の場合、売上原価で反映させるか、販売費及び一般管理費にするのが良いかと思います。
どちらで反映させても税務署は何も指摘してこないので大丈夫ですよ。
どうぞよろしくお願いいたします。
先生の皆様、再度のご回答ありがとうございます。
皆様からのご回答から、無事疑問も解決致しました。
先生方のご意見、大変勉強になり、今後の業務、勉強に活かせればと思います。
ありがとうございました。
本投稿は、2018年05月08日 06時58分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。