法人所有のゴルフ会員権(預託金制)について
法人所有のゴルフ会員権(預託金制)を退会に伴い、ゴルフ場に返還してもらった時に額面(帳簿価格)を下回る金額しか返還してもらえなかった時の仕訳と決算時の処理について教えてください。
また、参考ページを教えてもらえると助かります。
現金 500,000/ゴルフ会員権 750,000
?? 250,000/
??の科目は何が適当でしょうか?
貸倒損失、償却損かなと思い、調べてみても個人所有の場合のみしかでてこないので。
税理士の回答
預託金の一部が切り捨てられた場合は、原則として、貸倒損失となります。
「抜粋・参考」
ゴルフ会員権の預託金の一部が切り捨てられた場合の取扱い
【照会要旨】
ゴルフ場経営会社につき民事再生法の規定による再生計画認可の決定が行われ、預託金の一部が切り捨てられる場合、そのゴルフ場の会員権を有する法人は、その事実が生じた事業年度において、その切り捨てられた金額を貸倒損失として計上することができますか。
【回答要旨】
預託金の一部が切り捨てられ、法律的に債権の一部が消滅した場合には、その切り捨てられた部分の金額については、原則として、切捨ての事実が生じた事業年度において貸倒損失として損金の額に算入されます。
ただし、会員がゴルフ会員権を預託金の額面金額以下で取得している場合は、貸倒損失に計上できる金額は、帳簿価額と切捨て後の預託金の金額との差額を限度とします。
(理由)
金銭債権の一部が更生計画認可の決定や再生計画認可の決定によって切り捨てられた場合には、切り捨てられた金額は、その事実が生じた事業年度において貸倒損失として損金算入されます(法人税基本通達9-6-1(1))。
ゴルフ会員権は、会員契約の解除がなければ預託金返還請求権(金銭債権)に転換しません。再生手続は経営の継続が前提となっているので、通常、会員契約は解除されることはないため、認可決定により預託金の一部が切り捨てられたとしても、金銭債権の性格を有しないゴルフ会員権について貸倒損失を計上することは認められないとも考えられます。
しかしながら、会員契約を解除しなければゴルフ会員権が金銭債権と認められないのは、契約上「預託金は、据置期間経過後、退会を条件に返還請求することができる」とされているからであって、契約自由の原則の下では、当事者の合意により、契約継続中のある時点で預託金の一部を返還又は切り捨てるという契約に変更することは可能です。
すなわち、再建型の倒産手続などによって預託金の一部切捨てが行われた場合も、契約変更により、預託金返還請求権の一部が金銭債権として顕在化した上で、その一部が切り捨てられたとみることができます。
また、預託金の一部切捨てという事実は、契約の当事者間に存在した債権・債務関係が法律的に消滅することであり、ゴルフ場経営会社はこのことにより債務免除益を計上することになります。このような当事者間の契約上の債権・債務関係が変更されたという事実を踏まえれば、債権者においても、その消滅した債権に相当する貸倒損失を容認することが相当であると考えます。
したがって、預託金の一部が切り捨てられた場合には、会員が従来どおりゴルフ場施設を利用できても、その切り捨てられた部分の金額については貸倒損失の計上が認められると解することが相当と考えられます。
本投稿は、2018年09月05日 13時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。