工事進行基準の適用について
工事完成基準から工事進行基準に会計方針の変更をしようと思うのですが、その場合前期の工事に対して遡求処理などした方がいいのでしょうか。
税理士の回答

北田悠策
ご回答申し上げます。
まず前提とまして、2021年4月適用開始の「新収益認識会計基準」では原則として工事完成基準は認められていないため、現時点においても工事完成基準を適用している場合は会計基準に準拠していないこととなります。
また、「新収益認識会計基準」適用よる影響は、適用開始事業年度の期首利益剰余金で「会計方針の変更による累積的影響額」として調整する必要がございますので、もし可能であれば「新収益認識会計基準」適用開始事業年度から決算修正をされることを推奨いたします。
ただし、決算修正はかなりの作業工数が発生しますので、実務的な煩雑さを考慮して修正しないことも選択肢としてあり得るかと存じます。
その場合は、今後受注する工事案件から「新収益認識会計基準」に基づき収益認識し(※)、過去の工事案件については継続して工事完成基準で収益を認識するのでも宜しいかと存じます。
※基本的には、一定の要件を満たした場合には工事完成基準を強制適用、それ以外の場合は原価回収基準を適用いたします。
以上、ご参考になりますと幸いです。
中小企業の場合、工事進行基準でも大丈夫と税務署に聞いたのですが間違いなのでしょうか。

北田悠策
ご返信いただきありがとうございます。
大変失礼いたしました。会計方針の変更とのご質問でしたので、会計基準のお話かと誤認しておりました。
税務上は、長期大規模工事を除き、工事案件ごとに工事進行基準・工事完成基準を選択適用できますので、現在進行している工事案件は工事完成基準、変更後の工事案件は工事進行基準を適用いただくので問題ありません。すなわち、過去に遡及する必要はございません。
以上、ご参考になりますと幸いです。
本投稿は、2023年08月17日 10時05分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。