銀行振込の際の領収書の「宛名」について
当方では、銀行振込で入金いただいた方に対しては、「原則として領収書は発行しません。銀行手続時に発行される控を領収書に代えさせていただきます」とウェブサイトでうたっておりますが、それでもどうしても当方発行の領収書が欲しいという方がいます。
当方で原則として発行しないとしている理由の一つに、「宛名」の問題があります。実は当方は学校なのですが、銀行振込の際に、払込人名を一律「生徒名」とするようお願いしているため、入金明細に載ってくる振込人名はすべて生徒の氏名です。でも、実際には親が支払をしているため領収書を求めるのは親であり、当然ながら宛名も親の名前にしてほしいと言われます。ただ、こちらの入金データには親の名前は一切出てきません。
こうした場合、申し出の通りの親の名前で領収書を発行して問題ないものでしょうか?
場合によっては、父親名義で領収書を出したとしても、実際に支払ったのは母親である可能性もあると思いますが、そこは問題にならないのでしょうか?
銀行振込時にうけとった控との引き換えであれば、申し出通りの名義(ただしどちらかの親に限る)で発行する、などの条件を付けることは正しい処理でしょうか?こうすれば、二重発行の防止にもなるのではないかとも思いましたが、控えを回収するということに問題はないでしょうか?
恐れ入りますが、ご教示いただけないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

土師弘之
領収証とは、金銭等の支払いを受けたことを証明する書類です。そのため、振込やクレジットで支払う場合は、領収証の発行義務はありません。振込であるため領収証を発行しない場合には、契約書や請求書に「振込明細書の受領をもって領収証の受領に代える」という文言を挿入しておく方が無難です。
それでも、相手の求めに応じて領収証を発行する場合には、領収証の発行のルールに従う必要があり、宛名は「支払った者」の名前を記載することになります。
なお、振込明細書は振り込んだことを銀行が振込人に対して証明するものですので、領収証を発行したからといって直接の当事者でない学校が回収することはできません。そのため、この場合は、領収証のどこかに「銀行振込」とは「クレジット払」とかの文言を記載すればトラブル防止になるかと思います。
よって、実際には親が支払をしている場合の領収証は、宛名も親の名前となります。生徒の費用は親か負担するのは当然のことでありそのようになるのが自然だと思われます。
ただし、管理上の問題として、生徒の名前を領収証に明記したい場合には、「但し書」のところに「生徒名分○○(費用の名目)として」と記載すれば問題ないのかと思われます。
本投稿は、2023年08月20日 23時13分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。