コミットメントフィーの消費税について
当社は、金融機関との間でコミットメント契約を締結しております。
コミットメントフィーは、不課税でしょうか?
上記にかかるコミットメントフィーをこれまで、維持手数料という認識から課税処理をしておりましたが、銀行からの書類が適格請求書になっていないため調べたところ、明確な回答が見つからなかったため疑問に思いご相談させていただきました。
税理士の回答
現行実務は、コミットメント・フィーについて、「実際に貸付けが行われなかった金額に対する逸失利益を補填する性格を有するもの」として不課税としているようです。(「消費税質疑応答集」より引用)
おそらく実務はコミットメント・フィーを一種のキャンセル料と解しているようですが、コミットメント・ラインにおいて企業は融資枠までの借り入れを約しているわけではないので、予約のキャンセル料という見方はあたらないと思われます。
経済的な性質を考えると、この契約は銀行が企業に対してタイミング・リスクのカバーを提供するものであり、むしろ保険契約に近いものと思われますので「保険料に類するもの」として非課税とすることも考えられますが、「保険料」該当性の基準として「損害填補性」の位置づけであり、コミットメント・ラインは単に融資枠までの貸出を約しているだけであるから、保険料とも解し難いと思われます。
コミットメント・ラインの性質に立ち戻って考えると「一定の期間及び融資の極度額の限度内において、当事者の一方の意思表示により当事者間において当事者の一方を借主として金銭を目的とする消費貸借を成立させることができる権利を相手方が当事者の一方に付与し、当事者の一方がこれに対して手数料を支払うことを約する契約」と定めています。この規定に拠ることとすれば、本契約では「金銭消費貸借契約を成立させる権利」が発生していると理解され、消費税法上は、コミットメント・フィーは「権利の原始的設定の対価」として不課税と解するのが妥当でないかと考えます。
丁寧なご回答ありがとうございます。
大変勉強になりました。
本投稿は、2024年08月22日 10時04分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。