土地のみを同族間で譲渡した場合の会計処理について
同族会社(資産管理会社)が所有する不動産の土地+建物のうち、土地のみを代表である個人に譲渡しようと考えています。
その際、土地の譲渡と同時に借地契約も交わし、土地の無償返還に関する届出書を提出する予定です。
この時、法人側の会計処理としては、借地権については資産計上されず、単に固定資産である土地を売却した場合と同じような形になるという理解で宜しいのでしょうか。
御手数ですがどうぞ宜しくお願い致します。
税理士の回答

坪井昌紀
このケースでは、会計処理の面では貴殿のご見解のとおり。但し、このケースのポイントは、土地を適正時価額で売買することになりますので、現在の会社の顧問税理士に、きちんと話しておくことが重要です。
・無償返還の届出書の提出を予定されているという事ですし、自用地価額での売買とうかがえます。
・売買価額と土地時価に差がある場合や、相続対策としての単なる取引であれば、総合的に見たときに、思っていた効果が得られないこと等もありますので、会社の状況をよく知る現在の顧問税理士に聞くべきというのは、そういう意味もあります。
会計処理につき、ありがとうございます。
ちなみに仰る時価について不動産鑑定を行うことも検討しているのですが、
無償返還の届出書を提出するとはいえ借地権のつく土地ですので、使用貸借でも鑑定評価の場合は自用地の2-3割の減額となるようですし、
この場合の評価額も自用地評価より低くなるのではと考えているのですが、何かご知見がありますでしょうか?
宜しくお願い致します。

坪井昌紀
貴殿の会社の顧問税理士にまだ相談していないようですので、これが最後として、追記しておきます。
・貴殿のいう無償返還の届出書を提出した当該土地の評価については、相続税を計算する際に用いる自用地価額×(1-20%)のことだと思います。
・主宰する同族会社からその役員へ不動産を譲渡する際の低額譲渡の場合は所得税の認定賞与として算出する時価とは必ずしも一致しません。
・反対にその時の会社は、時価より安い価格で役員へ売却した場合は、会社の株主への理解が得られるのか検討をして、自分以外の株主等への説明の要否を決めます。一方、高額譲渡のケースも経済的利益について計算し、各種税目の整合性をみます。
・相続が発生した場合は、土地について20%の減額効果を見込んでいるかもしれませんが、その人が所有する会社の株式を計算する際には、その20%を純資産価額に相続税評価額で加算することになります。
・上記のこれまでに述べた不動産時価については、法人税法上の時価、所得税法上の時価、相続税法上の時価で、それぞれの時価が存在します。
これらを総合的に判断しつつ取引価額を決定していくのであれば、貴殿が複数の税理士意見を取りまとめて解決していく次元ではないと個人的には思います。
・当初ご質問に対応するご回答をした上で、「まずは、会社の顧問税理士に相談すべき」と言った理由が、これで理解してもらえると思います。
本投稿は、2025年03月26日 13時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。