【個人事業主】少額減価償却資産(PC)を買い替える際の除却・同一生計者に譲りたい場合の処理について
従業員を雇用していない個人事業主です(消費税は免税事業者です)。
このたび事業用PCの買い替えにあたり、既存PCの会計処理についてお伺いしたく存じます。
【現状】
・該当のPCは、取得時に「中小企業者等の少額減価償却資産の特例」により、取得年に全額損金算入済みです。
・耐用年数はすでに経過しており、減価償却資産台帳には記載がありません。
・現在も使用中のため、固定資産台帳にて備品として管理しています。
・今回の買い替えに伴い、旧PCを同一生計者(夫)に譲りたいと考えています。(夫はこのPCをプライベート用途で使用する予定です)
・PC自体は動作しており、一定の資産価値(時価)はあると考えられます。
【質問①】
このようなケースでは、簿価0円の資産であっても、「除却処理」ではなく、「時価での売却処理(=雑収入の計上)」を行うのが正しい対応でしょうか?
もしそうであれば、仕訳は以下のような内容で問題ないでしょうか?
(借)事業用口座 ○円(=時価相当額)
※実際の金銭移動あり
(貸)雑収入 ○円
【質問②】(時価での売却処理を行うのが正しい場合)
同型モデルが市場に存在しないカスタムPCのため、時価の算定方法に悩んでいます。
買取ショップでの査定も検討しましたが、査定しても「買取価格」しか教えてもらえず、「売値(販売価格)」は分かりません。
このような場合、どのように妥当性のある時価を見積もればよいでしょうか?
【質問③】(時価での売却処理を行うのが正しい場合)
同一生計者であっても、現実に金銭の授受が必要かと思います。
金銭の移動記録を残すにあたり、たとえば、
事業用口座 → 夫の個人口座へ時価相当額を振り込み
その振込記録(振込明細や通帳コピー等)を保管
このような形で記録を残せば、税務上も問題ありませんか?
お忙しいところ恐縮ですが、適切な対応についてご指導いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答

【質問①】
このようなケースでは、簿価0円の資産であっても、「除却処理」ではなく、「時価での売却処理(=雑収入の計上)」を行うのが正しい対応でしょうか?
その通りです。
もしそうであれば、仕訳は以下のような内容で問題ないでしょうか?
(借)事業用口座 ○円(=時価相当額)
※実際の金銭移動あり
(貸)雑収入 ○円
上記でよい。
【質問②】(時価での売却処理を行うのが正しい場合)
同型モデルが市場に存在しないカスタムPCのため、時価の算定方法に悩んでいます。
買取ショップでの査定も検討しましたが、査定しても「買取価格」しか教えてもらえず、「売値(販売価格)」は分かりません。
このような場合、どのように妥当性のある時価を見積もればよいでしょうか?
ネットで中古資産の情報を見て行うのが良いでしょう。
【質問③】(時価での売却処理を行うのが正しい場合)
同一生計者であっても、現実に金銭の授受が必要かと思います。
金銭の移動記録を残すにあたり、たとえば、 事業用口座 → 夫の個人口座へ時価相当額を振り込み その振込記録(振込明細や通帳コピー等)を保管
上記でよい
このような形で記録を残せば、税務上も問題ありませんか?
問題はない。
竹中先生、お忙しいところご丁寧にご回答いただき、誠にありがとうございます。
【質問②】のご回答に関連して、大変恐縮ではございますが、併せて一点ご教示いただけますと幸いです。
カスタマイズしたPCであるため、ネットで中古資産情報を調べる際には、以下のいずれかの方法になるかと思われます。
・スペックが近いモデルのPC本体の中古価格を参考にする
・PC本体に搭載されている各パーツの中古価格を個別に調べ、それらを合算して算出する
このような場合、どちらの方法を用いるのがより妥当とされるでしょうか?
あるいは、どちらの方法でも問題ないと考えて差し支えないでしょうか?
お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

・スペックが近いモデルのPC本体の中古価格を参考にする
上記が良い。
・PC本体に搭載されている各パーツの中古価格を個別に調べ、それらを合算して算出する
いいえ、PCをカスタマイズしても、それ自体で中古の金額が上がるとはいいがたい用意思います。前の上記の価格だと思います。カスタマイズは、かえって下がることもあるのでは。
竹中先生、ご丁寧なご回答を誠にありがとうございます。
時価の見積もり方法につきまして、スペックの近いPC本体の中古価格を参考にするのがより妥当とのこと、非常に参考になりました。
また、カスタマイズされたパーツ構成であっても、中古市場における価値は必ずしも上がるとは限らず、かえって評価が下がる可能性もあるとのご指摘も、大変納得感がありました。
ご多忙のところ貴重なご助言を賜り、心より感謝申し上げます。
今後の処理の参考とさせていただきます。
本投稿は、2025年05月16日 15時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。