インボイス立替金精算書及び立替時振込手数料について
法人の不動産管理会社です。
不動産オーナー:A社 管理会社(弊社):B社 仲介業者:C社とします。
3社ともインボイス登録事業者です。
B社がA社に代わって、C社へ業務委託費を振込にて立替払いしました。
この時、C社発行の適格請求書の宛名はB社ではなくA社です。
なお、B社の業務委託費の立替金は、A社への家賃送金時に相殺する予定です。
この場合の処理についてお教えください。
1.C社発行の適格請求書をA社に渡し、A社への家賃送金時の送金明細書に、立替金精算項目欄を作成し、必要事項(支払日・立替金内容・金額/課対象外・支払先・相殺の旨)を記載するだけで問題ないでしょうか。
それとも、立替金精算書として別途作成が必要でしょうか。
2.C社発行のA社宛の適格請求書ですが、A社へ原本を渡し、B社はコピー保管でいいでしょうか。
立替払いした際の振込手数料についてもお教えください。
①B社の支払手数料として経費処理 ②A社へ立替金として立替金精算する
どちらの処理が正しいでしょうか。
②だった場合、ATM振込であれば振込明細書の原本かコピーをA社へ渡せばいいでしょうか。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

石塚明徳
媒介者がある場合の適格請求書等の交付方法は、直接交付、代理交付、媒介者交付特例、立替金清算書等の方法があり、このうち直接交付は売手が発行した買手に対する適格請求書等を媒介者に対して交付し、媒介者は売手から交付された適格請求書等をそのまま買手に交付するものとされています。
なお、立替金精算書等は売手が媒介者を宛名として適格請求書等を発行した場合に必要とされ、直接交付した場合は立替金精算書等の買手による保存はインボイス制度上は不要です。
ご質問のケースでは、A社が買手、B社が媒介者、C社が売手として上記の直接交付を行っていることになると考えられ、A社はC社が発行した適格請求書等(A社宛のもの)をB社から受け取り保存することで仕入税額控除の要件を充足できると考えられます。
また、B社では適格請求書等のコピーを保存しておくことで差し支えないと考えられます。
なお、振込手数料について、①(B社負担)か②(A社負担)かは一般的には契約等で負担者を定める必要があります。
仮に②であった場合、原則としてB社が金融機関から受け取った適格請求書等を立替金精算書等とともにA社に交付し、A社はこれらを保存する必要があると考えられます。
ただし、ATMによる振り込みである場合は、3万円未満の自動販売機特例の適用を受けることで適格請求書等及び立替金請求書等は不要となり、帳簿に通常の記載事項に加え「ATM」など特例に該当する旨を記載することで仕入税額控除の要件を充足できると考えられます。
ご回答ありがとうございます。
以下の認識でよろしいでしょうか。
1.立替金精算書は必要なく、適格A社宛の適格請求書(業務委託手数料)原本をA社へ渡す
2,B社からA社への家賃送金時、家賃送金明細書の請求項目へ業務委託手数料相殺と記載しておき、支払った業務手数料を相殺する。

石塚明徳
1.立替金精算書は必要なく、適格A社宛の適格請求書(業務委託手数料)原本をA社へ渡す
2,B社からA社への家賃送金時、家賃送金明細書の請求項目へ業務委託手数料相殺と記載しておき、支払った業務手数料を相殺する。
→A社がC社に支払うべき業務委託手数料でB社が立て替えたものについて、インボイス制度の観点からは上記の処理で問題ないと考えられます。
なお、振込手数料を立替請求する場合、ATMではなく窓口やオンラインバンキングなどを利用すると原則通り適格請求書及び立替金請求書が必要になると考えられるのでご留意ください。
ご回答ありがとうございます。
業務委託手数料及び振込手数料を立替請求する場合について、理解いたしました。
大変恐縮ではございますが、振込手数料を立替請求しない場合についてお聞きいたします。
最初にご回答いただいた際、『振込手数料について、①(B社負担)か②(A社負担)かは一般的には契約等で負担者を定める必要があります。』とご回答いただきました。
その上で、お聞きいたします。
1.負担者を定めるのは、口頭やメールの合意でもよく、経理上問題ない。
2.B社側は、支払手数料で処理する
以上、よろしくお願いいたします。

石塚明徳
1.負担者を定めるのは、口頭やメールの合意でもよく、経理上問題ない。
2.B社側は、支払手数料で処理する
→契約書で負担者を予め定めていない場合は、上記の処理で一般的には問題ありません。
可能であればメールなど合意の事実を後日確認できる形で残しておくことが税務調査や会社の内部統制など説明責任を果たす観点からより望ましいと考えられます。B社の社内規定に照らして問題がないかも念のためご確認ください。
よく理解できました。
わかりやすく、ご丁寧に回答いただきありがとうございました。
本投稿は、2025年06月24日 14時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。