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決算の修正について

今期になってから前期の利益の過大計上が発覚した場合の修正方法について教えてください。
税務署への申告と決算書本体の修正について方法を教えていただれば、幸いです。
また、前期繰越利益剰余金について今期の決算で前期に過大計上した利益の額を引いて前期繰越利益剰余金を計上してもいいのでしょうか(前期の次期繰越利益剰余金と今期の前期繰越利益剰余金の連続性がなくてもいいですか)

税理士の回答

国税庁が
「法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について(情報)」
を公表しています。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/111020/index.htm

コレに基づいて処理したらどうでしょうか?

次期の売上を計上したり、経費科目の計上もれにより、所得金額が下がる場合は、更正の請求で、その差額がわかる書類を添付して税金還付してもらえばよいと思います。
いったん、法人税申告書で仮計算するときは別表四で減算して、別表五で留保計上しておけば、次回、答えはあうと思います。
決算書本体に修正を加えることは、しないです。
(入力中に先回答されてる先生がありました、そちらのほうで解決いていたらスルーしてください。一応掲載はしておきます)

【1】税務上の対応:修正申告の提出が必要

■ 該当する状況:
• 前期の申告内容(法人税・消費税など)に誤りがあり、利益が過大に計上されていた
• 本来より多く法人税を納めていた(または少なく納めていた)

■ 対応方法:

✅ 利益が過大 → 税額も過大 → 「更正の請求」(還付請求)
• 前期の法人税等を多く払いすぎていた場合は、「更正の請求」が可能です。
• 更正の請求の期限は、原則として申告期限から5年以内です。

✅ 利益が過大 → 税額が過少 → 「修正申告」
• もし過大利益によって税額が本来より少なかった場合は「修正申告」が必要です。

どちらの場合でも、前期の法人税申告書を再作成し、訂正箇所を記載して提出します(電子申告 or 書面可)。



【2】会計(決算書)上の対応:前期遡及修正 or 当期修正か

会計上は、以下の2つの考え方があります。



【方法①】前期遡及修正(修正再表示)

(法人税申告とは無関係に、決算書として整合性をとる方法)

● 方法:
• 今期の決算書の「株主資本等変動計算書」で前期繰越利益剰余金を減額
• 「前期損益修正損」などの科目を使わず、B/S上の利益剰余金で調整
• 損益計算書(P/L)には影響させない

● メリット:
• 前期の次期繰越利益剰余金と、今期の前期繰越利益剰余金のつながりを保てる
• 監査法人がついている法人や、銀行等への説明責任がある法人ではこの方法が標準

● 弥生会計での入力例:
• 今期の仕訳で以下のように入力
 (借)利益剰余金 ×××円
   (貸)○○資産/売上等の該当科目



【方法②】当期損益で処理する

(簡易的な処理方法)

● 方法:
• 前期の誤りを今期の損失として処理(たとえば「雑損失」などの科目を使用)
• 前期の利益剰余金は修正しない

● メリット:
• 実務的に手間が少ない
• 小規模法人であれば、税務署から特に否認されることは通常ありません

● デメリット:
• 決算書上、剰余金の連続性が崩れる
• 銀行等に説明が必要な場合、整合性が取れないと見られる可能性あり



【3】前期繰越利益剰余金の修正(あなたの質問への直接の回答)

「今期の決算で、前期に過大計上した利益の額を引いて、前期繰越利益剰余金を調整してもいいか?」
→ はい、OKです。ただしその場合は会計方針として「前期遡及修正」を選択していることになります。

• 利益剰余金の連続性がない(P/Lの利益と一致しない)ことは会計上問題ありません。
• ただし、注記や補足説明(摘要欄など)で「過年度修正による」ことを明記すると親切です。

大変ご丁寧にありがとうございます。

本投稿は、2025年07月11日 13時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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