【NPO法人の活動計算書における経理区分振替額について】
現在、NPO法人の会計を担当しております。
当法人では、「特定非営利活動に係る事業(非収益事業)」と「その他の事業(法人税法上の収益事業)」を行っております。
期中の会計処理について、売上原価や仕入などは事業ごとに区分して処理しておりますが、通信費や消耗品費などの共通経費については、どちらの事業に係るものかを期中で厳密に判別できないため、いったん全額を「特定非営利活動に係る事業」に計上し、決算時に一定の基準で按分し、「その他の事業」へ配賦しております。
なお、貸借対照表上の資産・負債については事業区分を行っておらず、一体管理しております。
この結果、活動計算書上、
・当期経常増減額(経理区分振替前)
特定非営利活動に係る事業:利益
その他の事業:損失
となっていましたが、
・経理区分振替額を反映後
特定非営利活動に係る事業:損失
その他の事業:利益
という状況になっています。
経理区分振替額の内容は、特定非営利活動に係る事業からその他の事業へ配賦した共通経費です。
【質問①】
その他の事業(収益事業)は、経理区分振替後の税引前当期正味財産増減額では利益となっています。
この場合、法人税の計算上は、この利益額がそのまま課税所得のベースになるのでしょうか。それとも、活動計算書上の利益と法人税法上の所得計算は別途調整が必要になるのでしょうか。
【質問②】
共通経費の配賦処理は行っていますが、貸借対照表について事業区分を行っていないため、活動計算書上の経理区分振替額を表示しない(又は相殺する)処理は可能でしょうか。
【質問③】
その他の事業について、経理区分振替前は損失であったにもかかわらず、経理区分振替後に利益となっています。
共通経費の配賦による影響であることは理解していますが、活動計算書上の経理区分振替額と当期正味財産増減額の関係について、どのように考えればよいのでしょうか。
また、このような表示はNPO会計上一般的なものなのでしょうか。
税理士の回答
【質問①】
→活動計算書上の「その他の事業」の当期正味財産増減額=そのまま法人税の課税所得になるわけではございません。法人税申告書上において一定の加減算され、課税所得を求めます。
【質問②】
→可能です。NPO会計基準では
①共通経費を直接各事業へ配賦する方法
②一旦集計後に配賦する方法
どちらも認められています。
また、貸借対照表を事業区分していないこと自体は特に問題ございません。
【質問③】
→ 経理区分振替前の利益は「仮の利益」であり、経理区分振替後の当期正味財産増減額こそが、その事業の最終的な事業成績と考えます。
NPO会計上は、一般的に生じる経理区分振替額そのものには損益の意味はなく、見るべきは【経理区分振替後の当期正味財産増減額】です。
ご参考頂けたら幸いです。
山本快夫
お世話になります。
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①について
法人税申告書の別表四のスタートにはなりますが、経理区分振替額は内部取引のため、加算・減算調整します。ご質問のケースでは減算しますので、結果的に課税の対象とはなりません。
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②について
NPO法人は収益事業を行っていても貸借対照表の区分作成については任意となっています。その話と、経理区分振替額をする・しない・しなければならない等は別の話となります。
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③について
その他の事業で利益が生じた場合は、その利益を経理区分振替額により特定非営利活動へ振替するよう指導をする自治体もあります。
あと、その他の事業で損失が生じた場合は、すぐにはダメ出しされませんが、数年続くと厳しく指導される自治体もあります。場合によっては、共通経費の按分を見直す現実的な対応が必要かも知れません。
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他の方のアドバイスも参考になさってください。少しでもご参考になれば幸いです。
本投稿は、2026年06月15日 19時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







