実際の取得から数年経過後の固定資産計上(買取)は可能ですか?
個人創業8年法人成2期目の零細企業です。現事務所入居(賃貸)8年目ですが、入居時の設備工事等の費用(3~400万円)を当時の税理士が全て「外注費」として経費処理してしまい、固定資産(建物附属)がゼロの状態です。当時の請求書は全て揃っています。それを元に、減価償却後の金額で「個人」から「法人」が固定資産として買い取りたいと思っています。このような取引は、可能なのでしょうか?可能な場合、注意点は何がありますか?
ご教授の程よろしくお願い致します。
税理士の回答

土師弘之
個人事業当時の処理誤りを修正(外注費→固定資産)したうえで、法人成の時の引継資産(実質的には譲渡)が計上漏れであったという処理をするのが妥当だと思われます。
計上漏れであった固定資産を現在の時点で買い取るという処理は、入居当時から(法人成後も)使用している観点からして合理的ではないと思われます。
土師先生 ご回答ありがとうございます。重ねて教えてください。
8年も前の処理の修正ができる ということでしょうか?併せて 法人成時(前期)も修正する という事でしょうか?その処理は、今期で行う という事でしょうか?
あと、「合理的でない」とは どのような意味でしょうか?
全然理解できなくて申し訳ありません。再びのご教授よろしくお願い致します。

土師弘之
過去に(8年前に)遡って会計処理を是正するのですが、税務処理は5年しか遡れないため、入居時当初からの3年間は、会計処理と税務処理にギャップが生じます。その処理を今期の決算で行うのではありません(過年度の修正ということになります)。
言葉で表現すると難しいので、その具体的な処理については、お近くの税理士か税務署にお聞きになった方がいいと思います。
「合理的でない」とは、法人成により個人事業の形態を法人がそのまま引き継いでいるので、法人成により個人から引き継いだはずの固定資産を現在資産に計上されていないという理由で現時点で買い取るということは時間の経過からみておかしい、ということです。つまり、現在ではなく、法人成の時点で買い取る処理をするべきだということです。
土師先生 ご丁寧な説明をありがとうございます。もう一度教えてください。
「法人成の時点で買い取る処理をするべきだ」というのは、物凄く納得なのですが、現時点(2期目)で 何ができるのでしょうか?
前期(1期目)の修正申告になるのでしょうか?

土師弘之
1期目の修正申告になりうるのですが、法人税での減価償却費は確定決算での損金経理が要件なので、資産の計上漏れのみ(所得金額には影響しない)の処理になります。
土師先生 何度もありがとうございました。1期目の決算に関しては 他にも多々問題が生じておりますので、今回の事も含めて税務署に相談してみます。
本投稿は、2021年06月08日 14時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。