紛失や盗難等の経理処理
宜しくご教示お願い致します。
普通法人の小口現金(業務上使用する少額な物を購入する為の現金)が、紛失や盗難で無くなった場合、法人税の税務上損金算入は出来るのでしょうか。
ご教示頂けましたら幸甚です。
税理士の回答

出澤信男
会社の現金が紛失や盗難で無くなった場合、まず現金過不足勘定に振替えます。期末までに判明しなければ、雑損失に振替えることになると思います。

ご質問者様、こんにちは。税理士の橋本健輔(ハシモトケンスケ)と申します。
ご質問の件ご回答させていただきます。
結論から言うと、どちらも損金計上することが可能です。その扱いは若干異なります。紛失と盗難それぞれ解説します。
① 紛失
記帳の間違いやおつりの間違いなどで少額がずれた場合には現金過不足という勘定で営業外費用として計上します。財布を落としたなど、多額の金額を紛失してしまった場合は特別損失に計上します。科目は現金過不足か現金紛失損失など作っても大丈夫です。
これを経費とするには、普段から現金の残高について管理をしている、ということが重要になります。具体的には、現金出納帳が存在すること、定期的に締め(毎日か週1回が望ましい)を行っているということです。
加えて紛失の場合は、当事者に顛末書・始末書といった形で書面にいつ、どういった経緯で、いくら失くした(と推測される)かを残しておきましょう。
② 盗難
盗難や横領などの場合は特別損失で盗難損失や横領損失となります。
紛失と同様、現金が管理されていることと始末書・顛末書は残しましょう。警察に被害届を出している場合は、警察が書面をくれるので、それも残しておきましょう。
また、損失に計上するタイミングは、横領や盗難をされ、「損失が確定したタイミング」となります。どういうことかというと、横領などの場合は特に多いのですが、一部返還される場合やその後継続して勤務する場合等で給料から天引きで返還する場合があり、その返還金額が確定したタイミングで、返ってこないことが確定した金額は損失、返ってくる(予定の)金額は未収入金などの債権として処理をします。
もしご不明な部分や説明不足があれば追加でご質問くださいませ。
ご参考になれば幸いでございます。
先生方、御回答頂きまして感謝申し上げます。
盗難の場合のみでなく、落として紛失した場合も税務上の損金として益金が減り納税額が減ると理解して妥当でしょうか。

>盗難の場合のみでなく、落として紛失した場合も税務上の損金として益金が減り納税額が減ると理解して妥当でしょうか。
→はい、先述のご回答①のとおり、損失として計上することが可能でございます。
度重ねまして御回答頂き有難うございます。
勉強不足で申し訳ございません。
国税タックスアンサーの所得税を参考にしてよいか分からないのですが、「No.1110災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」に盗難は記載がございましたが、紛失の記載が無いようでした。法人税では紛失も損金算入に該当することが出来るのでしょうか(関係法令や通達等が分かりませんでした)。また、損金算入限度額は全額と考えてよいものなのでしょうか。
もしご教授頂けましたら幸甚に思います。

ご指摘のタックスアンサーは、所得税のものですので、その対象は個人となっています。御社は法人なので、法人税の規定で考える必要がございます。
法人税では紛失や盗難について別段の定めはありませんので、基本的に会計のルールに沿って考えることになります。それで、その会計のルールに沿って考えると、上述のご回答となります。
重ねまして御回答頂き感謝申し上げます。
分かりやすく理解出来ました。

いえいえ!ご参考になりましたようで何よりです。
本投稿は、2021年09月03日 10時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。