決算期をまたぐ課税仕入
現在、工場の改築を行なっており、A業者が電気工事、B業者が空調設備やその他設備の工事を行なっています。A業者の電気工事は今期に終了し一括して引渡しをうけます。
B業者の工事はA業者に関係する部分は終了していますが、その他設備の工事が終わっていないのでの全ての工事が完成するのが来期となり工事完成後一括して引渡されます。(引渡し前に工事が終了した空調設備は稼働させる予定です)
経理処理としては、建設仮勘定の仕入税額控除の特例を使い個別稼働事に課税仕入とするのではなく、全ての工事の終了後、建設仮勘定(対象外)から課税仕入に振替えようと考えていますが、
この場合、B業者の工事が完成する来期にA、B業者を課税仕入に振替えてもよいものなのでしょうか?(A業者は今期引渡しをうけ期はずれるがA、B業者の工事を一式と考える)
どなたかご教授の程、宜しくお願い致します。
税理士の回答
建設仮勘定に関する取り扱いは、下記の様になります。
「参考」
No.6483 建設仮勘定の仕入税額控除の時期
[平成30年4月1日現在法令等]
仕入税額の控除は、課税仕入れを行った課税期間において行うこととされています。
課税仕入れを行った日とは、資産の譲受けや借受けをした日又は役務の提供を受けた日となります。
これらの日は原則として、所得税法又は法人税法で所得金額の計算をするときの資産の取得の日又は費用の計上時期と同じです。
そのため、減価償却資産や棚卸資産であっても、これらの課税資産等を取得した日の属する課税期間においてその全額を控除の対象にすることになります。
ところで、建設工事の場合は、通常、工事の発注から完成引渡しまでの期間が長期に及びます。そのため、一般的に、工事代金の前払金又は部分的に引渡しを受けた工事代金や経費(設計料、資材購入費等)の額を一旦建設仮勘定として経理し、これを目的物の全部が引き渡されたときに固定資産などに振り替える処理を行っています。
しかし、消費税法においては、建設仮勘定に計上されている金額であっても、原則として物の引渡しや役務の提供があった日の課税期間において課税仕入れに対する税額の控除を行うことになりますから、当該設計料に係る役務の提供や資材の購入等の課税仕入れについては、その課税仕入れを行った日の属する課税期間において仕入税額控除を行うことになります。
ただし、建設仮勘定として経理した課税仕入れについて、物の引渡しや役務の提供又は一部が完成したことにより引渡しを受けた部分をその都度課税仕入れとしないで、工事の目的物のすべての引渡しを受けた日の属する課税期間における課税仕入れとして処理する方法も認められます。
(消法30、消基通11-3-1、11-3-6)
ご回答ありがとうございます。A業者が今期電気設備の引渡し、B業者が来期空調機、その他引渡しでB業者の引渡し前にA業者完成分の空調機を使用していたとしても、業者の引渡しごとではなく、工事の目的物の全ての引渡しを受ける来期にA、B業者とも建設仮勘定(対象外)から課税仕入に振替えてもよいという認識でよいのでしょうか?
ご回答ありがとうございます。電気設備と空調設備は一体とみなして処理する方向にしたいと思います。大変勉強になりました。
本投稿は、2019年07月01日 07時48分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。