消費税還付について(課税事業者登録のタイミングに関係して)
サラリーマン兼個人事業者の者です。
2019年2月以前はサラリーマン給与所得のみでしたが、2月に不動産を購入、賃貸開始しました。その後、太陽光発電も開始し、その際、消費税還付を念頭に課税事業者登録をしました。下記がそれぞれのタイミングと質問です。
2019年2月 区分マンション購入(4000万円)、賃貸開始
2019年4月 太陽光発電設備契約(4000万円)
2019年5月 個人事業者登録、課税事業者登録
2019年8月 太陽光発電設備 引き渡し、売電開始(課税売上開始)
質問① 課税事業者登録前に購入した区分マンションの消費税還付は可能でしょうか。ネット上では可、不可、両者の情報があり、専門家の見解をお聞きしたいです。
質問② 太陽光発電設備の消費税還付について、契約が課税事業者登録の前ですが、還付が認められない可能性はあるでしょうか。
回答のほど、宜しくお願い致します。
税理士の回答
個人の課税期間は暦年(1月1日~12月31日)ベースであり、事業開始年に課税事業者になるための消費税課税事業者届出書の提出期限は事業開始年の末日(厳密には税務署開庁日)までとされていますので、マンション(不動産所得)も太陽光発電設備(事業所得)も消費税確定申告の対象となります。
なお、実際の計算をしてみないと還付が生じるかどうかわかりませんので、仕入税額控除の対象となるかどうかでお答えします。(ご記載の金額だけ見ればおそらく還付税額が生じるとは思いますが。)
質問① マンションは居住用と思いますので、個別対応方式の場合は非課税売上にのみ要する課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象となりません。
一括比例配分方式の場合は課税売上割合を乗じた金額が仕入税額控除の対象となります。
全額控除の場合は、全額が仕入税額控除の対象となります。
ネット上の情報は届出日より前後の問題ではなく、上記の仕入税額控除の計算方法によるものと思われます。
なお、一括比例配分方式と全額控除の場合は、調整対象固定資産に係る仕入税額控除の3年調整の可能性があります。
また、高額特定資産に係る原則課税事業者の所謂3年縛りがあります。
こちらで全てをご説明するのは困難ですので、以下の国税庁タックスアンサーをご参照ください。
税額計算のあらまし
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/shou304.htm
仕入税額控除の計算方法
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6401.htm
課税売上割合が著しく変動したときの調整(調整対象固定資産に係る仕入税額控除の3年調整のことです。)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6421.htm
高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除等の特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6502.htm
質問② 上記の通り、暦年ベースですし、事業所得としての売電収入が生じたのが開業届の日よりも後のようですので、仕入税額控除の対象となります。
但し、実際に計算してみないと還付が生じるかどうかはわかりません。(ご記載の金額だけ見ればおそらく還付税額が生じると思いますが。)
また、質問①と同様、高額特定資産に係る原則課税事業者の所謂3年縛りがあります
高額の固定資産を購入した場合の消費税の計算や諸規定は非常に難解ですので、税理士や税務署に直接相談してよく理解して確定申告をされることをお勧めします。
すみません。
2行目の消費税課税事業者届出書は消費税課税事業者選択届出書の間違いです。
本投稿は、2019年10月29日 18時58分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。