譲渡所得と申告について
権利確定主義と管理支配基準について、納税者が選択することはできますか?
また、同一納税者が複数物件について譲渡所得を得ている場合、契約ごとに選択適用することはできますか?
税理士の回答
上田誠
原則として納税者が自由に選択することはできません。
所得税法では、「権利確定主義」が原則的な課税時期の基準とされています。
ただし、契約内容や実態からみて「管理支配の移転時点」が明確に異なり、
それをもって課税時期とする方が合理的な場合に限り、
「管理支配基準」が認められる、という例外的な取扱いです。
つまり、
・どちらかを「都合により選ぶ」ことは不可。
・取引実態に即して、どちらが経済的に合理的かを基準に税務署が判断します。
複数物件・契約ごとに選択できるかについて
これも基本的にはできません。
同一納税者が同一年分の所得計算を行う場合、
課税時期の認定方法(権利確定主義か管理支配基準か)は、
同一種類の取引については統一して適用するのが原則です。
つまり、
・物件Aでは権利確定主義
・物件Bでは管理支配基準
のように恣意的に分けることは原則できません。
ただし、各契約の内容・履行状況が著しく異なり、
「一方は契約成立と同時に引渡済・代金確定済み」
「他方は引渡が翌期で、支払いも分割・条件付」
というように経済実態が明確に異なる場合には、
結果的に契約ごとに異なる基準が適用されることがあります。
つまり、「選択」ではなく、「実態の違いにより結果的に異なる基準が適用される」という扱いです。
回答ありがとうございます。
同一納税者が同一年分の所得計算を行う場合、
課税時期の認定方法(権利確定主義か管理支配基準か)は、
同一種類の取引については統一して適用するのが原則です。
→なぜ統一して適用するのですか?
条文とか通達があるのでしょうか?
本投稿は、2025年11月08日 19時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






