新株発行
著しく不公正な方法による新株発行(不公正発行)は、
①どのような場面で問題になるか、
②上記①の場面で、不公正発行に該当するかどうかを判断する基準は何か
について、会社法の条文と判例に基づいて説明をお願いします。
税理士の回答
法律の専門家ではないので、条文や判例まではご紹介できませんが、試験や実務を通じて学んだ知識からすると、特に、会社法上、問題になり得るのは、有利発行の場合だと思います。
有利発行とは、既存株主の株主価値を毀損するような、割安な払込金額にて、株主割当以外の方法にて、新株を発行する場合と言えます。
例えば、現状1株100円の株を、10円で、既存株主の持分割合に比例しない形で発行すれば、既存株主の株主価値は毀損され、同時に、新株発行を受けた者は、その有利発行を通じて、価値の高いものを割安で購入することができます。
なお、有利発行は、その時点の、その会社の株式の公正価格が基準になる概念ですが、公正価格がいくらなのか、というのは、ケースバイケースなので、一概に、このように計算し、評価するとは言えませんし、その会社が、公開会社なのか、譲渡制限会社なのか、あるいは、同族会社なのかなどの要因によって、配慮するべき事項も様々ですので、慎重な判断が必要かと思います。
また、会社法上も、新株発行については、そのような有利発行によって、既存株主の株主価値を毀損しないような手続きが準備されていますがので、会社法と、御社の定款のルールに従い、新株発行の手続きを進めることが重要です。
そういう意味では、会社法上のルールに基づく手続きを適切に踏まずに行われる、既存株主の権利が確保されない形の新株発行も、不公平ものと考えられると思います。
本投稿は、2020年12月14日 21時36分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。