所得について
フランスに行く旅行番組を見ていてふと思ったのですが、これを見ることで実際にその場所に行ったらかかるであろう最安の費用分(20~30万?)のもうけを得たことにはならないのでしょうか?
税理士の回答

フランスに行く旅行番組を見ていてふと思ったのですが、これを見ることで実際にその場所に行ったらかかるであろう最安の費用分(20~30万?)のもうけを得たことにはならないのでしょうか?
→なりません。

奥谷誠
テレビ等の映像に経済的な利益があるとのお考えでよろしいでしょうか?
確かに、見分を広め、知識を得たことは十分に価値のあることだと思います。
ただ、あなたが見たその映像にはコマーシャルなどの映像はありませんでしたか?
つまりは、例えばテレビはそのフランス旅行などの映像を流し、これを映像として放送することで同時にスポンサーからお金をもらっています。
つまりテレビ局はあなたが映像を見た・・・利益を得た代わりにスポンサーからお金をもらっているのです。
NHKですと直接受信料という形でお金をもらっています。
このように、フランス旅行などの価値のある映像はどこからかお金をもらい、スポンサーなどからあなたにコマーシャルを見せる代わりにその価値に見合うお金を受け取っていることになります。
あなたのすべての知識や技能には価値があるのではないか?というお考えは素晴らしいものだと思います。
経済は、これらの知識・技能を駆使して動いているのです。
お忙しい中中お二人共回答いただきありがとうございます。
宜しければもう少し伺ってもよろしいでしょうか?
実は最近経済的利益とは何なのか凄く悩んでいます。
国税庁さんのページ「経済的利益」(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/02.htm)
は把握しておりますが、相談で挙げた例のように「自分には給与以外に何か所得があるのではないか?」と悩み続けています。
特に最近はゲーム実況を視聴することで、ゲームを実際に買った場合の費用が経済的利益として得ていることになるんじゃないかと気になっています。
飲食店等の店舗で良くBGMで曲が流れていますよね? あれも多くは市販の有料の曲が流れていますが、それを聴くことで経済的利益(先程挙げた国税庁さんのHPの36-15-4)は発生しないんでしょうか? これはゲーム実況にも多くの場合BGMが付いているので、同じなのかもしれませんが....
店内で無料で飲料水をいただくことやサービスでトッピングをいただくことはどうなのか? 賄いや試食コーナーでの食事はどうなのか?と厳密に考えるときりが無いのは分かっているのですが、やはり気になります。
Gotoの給付やマイナポイントが一時所得になっているので、非課税と明記されていない以上やっぱり課税になってしまわないでしょうか?
凄く概念的で応え辛い質問になってしまい、申し訳ございません。
お時間ございましたら反応いただけると嬉しいです。

奥谷誠
まず、経済的利益について、税法の立場から説明しますと、経済的利益とは有償または無償によりこれを受けた者が第三者から利益を得ることができるその金額について経済的利益としています。
これを質問者様の例にあてはめますと、
・ゲームの実況を視聴した・・・第三者に提供できないので経済的利益とは言えない。
・飲食店のGBMを聞いた・・・第三者に提供できませんので経済的利益とはなりません。
・店内で水やトッピングのサービスを受けた・・・通常行われているサービスの範疇なので経済的利益とはいえない。
GOTOなどでポイントを受け取った・・・換金価値があり、現金ではないが経済的利益といえる・・・所得となる
といった状況です。
なお所得税法では、これらの経済的利益については概ね一時所得としています。
一時所得は、年間50万円までは課税所得が発生しませんので、通常の生活でなにがしかの経済的利益を得ても、確定申告の必要がないようにしているのです。
丁寧なご解説を再びいただき、ありがとうございます。
私が最初に質問いたしました、旅行番組を見る、海外の風景が映った写真を見るといった「実際に現地に行く費用分の経済的利益」は一時所得に入るのかそもそも「経済的利益」ですら無いのか、どちらなのでしょうか?
会社が従業員の旅行費用を負担した場合も経済的利益に算入される事例を見たことがあるのですが、素人目だとそれと構図は変わらないように感じます。唯その場合だとフランスとアメリカの旅行番組や写真を見るだけで一時所得の控除50万円分を超えてしまいますよね....
世界地図や地球儀を見れば、それだけで全世界に行く費用分の経済的利益を得たことにはならないですよね....?
私は歴史を勉強しているのですが、遠く離れた他国の歴史を勉強しているだけで、写真や動画、離れた場所の地図を見ているだけで距離的な経済的利益を得ていることになるのでしょうか..?
https://www.zeiri4.com/c_1076/c_1023/q_84576/
このように経費が減少することで実質課税されると考えておられる先生もいらっしゃるのですが、どうなのでしょうか?
やはり給料だけを考えれば良い訳ではないのでしょうか....
ご多忙の中何度も対応していだたくことになり、申し訳ございません。

奥谷誠
質問者様の海外旅行の番組を見た・・・経済的利益があるのでは?につきましては、例えば質問者様がその番組の懸賞などで当選し海外旅行に無料で招待された・・・ならば、経済的利益となりますが、実際に海外旅行には行ってませんよね?
放映された映像には価値がありますが、それは海外旅行につれていってもらうのと同程度の価値があるわけではないのではないかと思います。
また、ゲームの実況を見て、これはゲームの代金分の利益があったとのお考えですが、実際にはゲームが手元にあるわけではありませんよね?
ゲームを自ら操作できたり、これを自ら所有しているわけではありませんから、その経済的な価値はゲームの購入代金相当とは考えにくいと思います。
これら旅行番組やゲーム実況を見ることによる価値は、現金化できませんし課税の対象にはそぐわないものです。
すべての知識や技能には価値がありますが、その受け方や使い方によって課税される場合や課税対象とならない場合があります。
一時所得とは、所得税法でいうところのバスケットカテゴリーであり、いろいろな場面で出てきます。
例えば、ふるさと納税で地方の物産をもらった場合や、街の福引で何か当選したなど、これらは一時所得となります。
ですので、これは課税対象かどうかを考えることも大切なことだと思います。
何度もご回答いただきありがとうございます。
会社等で社員の旅行費用を負担する場合従業員は実際にサービスをそのまま享受しているので経済的利益を受けたことになる
私が相談している事例も実際にサービスをそのまま享受した訳ではないので経済的利益に含まれないという理解で宜しいのでしょうか?
自分でも先生の仰る通りだと感じます。
日本にいながら海外の情報を得ることが出来るのは経済的利益には入らないのかと悩んでいたのですが、実際に自分の身体がその場所にある訳ではないので経済的利益を得たことにはなっらないのですね。
ただ飲食店内やテレビ等で流れるBGMやテレビで放映される劇場では有償の映画の場合はどうなのでしょうか? 音楽や映画は聴くことや見ること自体がサービスの根幹を為しているので、先程の事例とは性質が異なるのではないでしょうか?
先生のおかげでかなり理解が進んできました。ありがとうございます。
一応確認なのですが、海外の字(例えばアメリカ、America)という字を見るだけでは実際にそこに行った訳ではないので経済的利益には含まれないで宜しいのでしょうか?
度々の質問でご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。
最後にどうしても確認したいことがあるのでこれだけお答えいただいても宜しいでしょうか?
歴史資料集や書籍には良く歴史的絵画や有名絵画の写真が載せられています。これらも本来は美術館等で有料で鑑賞出来るものだと思うのですが、それを見ることで経済的利益は発生しないのでしょうか?
これも絵画の所有権自体が移転した訳ではないので、見るだけでは経済的利益は発生しないという理解で正しいのでしょうか?
本投稿は、2022年01月21日 10時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。