【フリーランス必見】FREENANCE(フリーナンス)とは?メリットと利用方法を解説

フリーランスになったときに頭を抱える問題のひとつとして、「報酬の受け取り」に関することが挙げられます。「報酬の受け取り」とひと言で言っても、たとえば受注元から代金を回収する手間、銀行口座を開設する手間、報酬の支払い遅延の不安など様々なものがあります。
このような「報酬の受け取り」に関するお悩みを解決し、本業に専念できるようにサポートしてくれるのがGMOクリエイターズネットワークが提供する「FREENANCE(フリーナンス)」です。この記事ではフリーナンスのメリットや他のサービスとの比較について解説します。
目次
「FREENANCE(フリーナンス)」とは
フリーナンスは、2018年10月より提供開始された、日本初となるフリーランス特化型の金融支援サービスです。
収入面や社会的信用の担保において悩みを持つことが多いフリーランスの方が、自由で安心して働くことをサポートするために、「収納代行用の振込専用口座の無料開設」、「請求書(売上債権)の即日払い」、「フリーランス向けの損害賠償保険」の3つのサービスを提供しています。
「FREENANCE(フリーナンス)」の3つのメリット
フリーナンスを利用することによるメリットは次の3つが挙げられます。
「振込専用口座を無料で作成」できる
GMOあおぞらネット銀行の「振込入金口座(バーチャル口座)」の仕組みを活用し、個人名や会社名、サービス名、屋号などユーザーが希望する名前を口座名義につけて「FREENANCE 振込専⽤⼝座」を開設することができます。口座の開設および維持手数料は無料です。週1回、専用口座からユーザー自身のメインバンク口座に振替されますが、それにかかる振込手数料も無料となっています。
また、専用口座への入金回数や入金額によって与信スコアがアップします。与信スコアが上昇すると手数料率が下がるほか、即日払いの限度額も上がります。
取引先に与える2つの信用
フリーナンス振込専用口座の開設することで、取引先に対する信用力の強化につながります。
まず口座開設時には、犯罪等収益移転防⽌法に準じたユーザーの本⼈確認と専⾨機関による反社チェックが実施されます。そこでユーザーが反社会的勢⼒データベースに掲載されていないことが証明されます。
また、万が一の場合も「FREENANCE あんしん補償」があるため、取引先企業にとっても安心です。
アカウント登録だけで「あんしん補償に加入」できる
登録ユーザーには、フリーランス向けの損害賠償保険「FREENANCE あんしん補償」が無料で附帯します(引受保険会社:損保ジャパン日本興亜)。
あんしん補償では、仕事中の事故や納品物・受託物の欠陥や損傷に対する補償(最高5,000万円)のほか、情報漏えいにより発生した営業損失、著作権侵害や納期遅延による損害賠償請求など、フリーランス特有のトラブルに対する補償(最高500万円)が行われます。
主な補償内容と支払限度額は以下の通りです。
補償内容 | 1事故あたりの補償限度額 | 期間中の限度額※1 | 自己負担額 |
---|---|---|---|
業務遂行中の補償 | 5,000万円 | なし | 0円(なし) |
仕事の結果(PL責任)の補償 | 5,000万円 | 5億円 | |
受託財物の補償 | 500万円 | 5億円 | |
業務過誤の補償※2 | 500万円 | 5億円 |
※1 期間中限度額とは、保険会社による補償内容ごとの支払限度額です。「業務遂行中の補償」以外は、全ての会員を合算して5億円を限度額として保険金が支払われます。
※2 情報漏洩、納品物の瑕疵、著作権侵害、偶然な事故による納期遅延
「請求額をすぐに現金化」できる
フリーナンス振込専用口座が振込先として記載されている請求書をフリーナンスが買い取り、その代金を最短即日でユーザー個人口座に振り込む「FREENANCE 即⽇払い」を利用することができます。

引用:FREENANCE(フリーナンス) | フリーランスを、もっと自由に。
手数料は請求書額面の3.0%〜10%、買い取り限度額は1万円から最高300万円となっています(初回の買い取り限度額は40万円)。利用するほど手数料は下がり、限度額は上がっていく仕組みとなっています。
売掛債権を早期に資金化することで黒字倒産を防いだり、オンライン上で申請ができますので、銀行融資と比べて書類等の時間と手間を削減することが可能です。また、即日払いの利用は取引先には知られませんので安心して利用できます。
知っておきたい「黒字倒産」とは?
通常、事業を行っていると、請求書の発行、もしくは受取から入出金までタイムラグがあるのが一般的です。そのため、出金が入金を上回ってしまうと手元の資金が無くなってしまい、損益計算書上では黒字にもかかわらず、事業の存続が難しくなるということがあります。
「即日払い」を利用したときの仕訳方法
「即日払い」を利用した場合の仕訳方法について確認しておきましょう。例として売掛金を100万円とし、「売掛債権を譲渡して、現金化した」ときの処理を確認してみます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
普通預金 | 90万円 | 売掛金 | 100万円 |
売上債権売却損 | 10万円 |
このように、「即日払い」を利用する際に発生した手数料には「売上債権売却損」勘定を使用します。なお、原則として売上債権売却損は損金算入が可能になっています。
申し込み方法
フリーナンスの利用には、下記いずれかの写真付き身分証明書の全景を用意した上で、公式ホームページ上から口座開設(無料)の申し込みをする必要があります。
- 運転免許書(住所変更済みの場合は裏面必須)
- パスポート(お名前部分、住所記載欄)
- 個人番号カード(マイナンバーカード)
- 障害者手帳
他の収納代行サービスとの比較
最近では、フリーナンスのみならず、「Freelance Basics」や「feecle(フィークル)」といった、フリーランスや個人事業主を対象にした報酬関連のサービスが登場してきています。
以下では、これらのサービスとフリーナンスの違いについて解説します。
「Freelance Basics」
「Freelance Basics」とはランサーズ株式会社が運営する、フリーランス向けに労務・法務・経理などの機能を提供しているサービスです。その中で、「myCo.」という請求書作成・収支・予実・タスク管理が可能なサービスを提供しています。
請求書作成がメインの機能となっており、オンラインで簡単に請求書を作成できるため、請求書作成の手間を大きく省くことができます。また、取引先が請求書を開封した時などに通知が届くことになっており、報酬の支払い遅延を予防することができます。
ただし、あくまでも請求書の作成機能に過ぎないため、急場で資金が必要となった場合などに対応することは難しいです。
そのため、請求書作成に「Freelance Basics」を利用し、報酬の管理にフリーナンスと併用するとメリットが大きいです。
「feecle(フィークル)」
「feecle(フィークル)」とは、株式会社クラウドワークスが提供している、フリーランス・個人事業主向けの請求代行サービスです。
一見するとフリーナンスの「即日払い」と似たようなサービスですが、フリーナンスの場合、あくまでも報酬の回収は自分で行う必要があるのに対し、「feecle(フィークル)」は報酬の回収まで代行してくれるため、仕事の手間や取引先とのやりとりを大きく減らすことができます。
一方、「feecle(フィークル)」では、3社間ファクタリングを採用しているため、報酬代行を利用するには、取引先の同意が必要です。そのため、取引先から資金繰りについて怪しまれることもあります。
それに対してフリーナンスは、取引先から知られる心配が無いほか、フリーナンス振込専用口座を利用し続けると、与信スコアが上がります。そのため、使い続けることでより低い手数料で「即日払い」を利用することが可能となっています。
3つのサービスの比較表
Freelance Basics | フリーナンス | feecle(フィークル) | |
---|---|---|---|
利用できる機能 | 請求書作成 | 収納代行口座提供 | 請求代行 |
手数料率 | ー | 3%〜10% | 3%〜15% |
請求金額 | ー | 1万円〜300万円 | 3万円〜300万円 |
利用料金 | 月額800円(機能を制限した無料プランもあり) | 無料 | 無料 |
特長 | ・請求書作成の手間が省ける | ・「即日払い」を使ったことが取引先に知られない ・損害賠償保険が無料で付帯 | ・請求の手間が省ける |
ファクタリング業者との比較
フリーナンスでは、「即日払い」という請求書(売掛債権)を買い取って、その代金を即日でメインバンクに振り込むサービスを提供しています。
この「即日払い」と似たようなサービスとして「ファクタリング」が挙げられます。
ファクタリングとは、資金調達方法の1つであり、自社が保有する売掛債権をファクタリング業者が買い取り、現金化するサービスです。ファクタリングの大まかな流れは以下の通りになります。
- 商品・サービスを販売し、売掛債権が発生する
- ファクタリング事業者に、ファクタリングの利用を申込む
- ファクタリング事業者から買取金額を受け取る
- 支払期日にファクタリング事業者へ代金が振り込まれる
ファクタリングのスキームは「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」に分かれます。
「3社間ファクタリング」とは利用者とファクタリング事業者に加え、取引先会社もファクタリング取引に関与することになります。売掛債権譲渡について取引先に通知され、代金支払いも取引先会社から直接行われます。
一方で「2社間ファクタリング」は、利用者とファクタリング事業者の直接取引になるので、取引先会社は関与しません。債権回収後は利用者がファクタリング事業者に代金を支払うことになります。
フリーナンスの「即日払い」の場合、この「2社間ファクタリング」に分類されるため、売掛債権を売却したことが取引先に知られることがなく、資金繰りについて怪しまれ心証が悪くなることはありません。
また、フリーナンスの「即日払い」は、ファクタリング業者を利用するよりも、対応スピードや手数料の面でメリットが大きいのが特徴です。
一般的なファクタリング業者の場合、手数料は売掛債権額の10%~30%程度となっており、また、申し込み後、代金振り込みは翌日以降になることが多く、すぐに資金が必要となった場合に、対応できない可能性もあります。
おわりに
フリーランスの場合、取引先と成果物や報酬を巡るトラブルが発生しても、ときによっては泣き寝入りせざるを得ないこともあります。フリーナンスを利用すれば、このようなトラブルに巻き込まれる不安を解消して、本業に集中・専念することが出来るでしょう。
また、フリーランスは自分で確定申告を行う必要があります。そのため、税務面で不安を抱えたら税理士や「みんなの税務相談」に相談してみるとよいでしょう。
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