資本金の増資によるメリットについて
中小企業が資本金を1000万円から5000万円にするメリットは何でしょうか?
そもそも、その程度の増資であれば、特に何も影響はないでしょうか?
税制の観点、第三者(取引先)からの観点、銀行(融資)の観点など様々な観点での影響があるかと思います。
感覚的に、当然、資本金は大きいほうが信用力があり、新規取引先から見られた場合も、安心感があるものだと思います。
資本金が、会社・ビジネスに与える影響を知りたくご質問させていただきます。
よろしくお願いいたします。
※過去に弊社サービスにお問合せ頂いた質問を転載しています
税理士の回答
増資した時のメリットとデメリットを整理いたしますと概ね次のようなります。
【1】メリットと思われる事項
◯資本金が大きいことで、信用力高まります。
◯自己資本比率が向上します。この比率が高くなると、金融格付けが上がるので、対金融機関との取引がやりやすくなります。
◯取引相手の与信管理の基準に資本金が設定されていることがありますので、取引上も資本金が大きいほうが有利です。
【2】デメリットと思われる事項
(1)税務面
法人都道府県民税の均等割額が資本金により変わります。社員50人以下の場合で、東京都の場合、下記の金額となります。
・期末資本金1,000万円以下 70,000円/年
・期末資本金1,000万円超1億円以下 180,000円/年
従って、1,000万円から5,000万円に増資した場合、毎年の均等割り税額が18万円に増加します。
(2)下請法
下請法では、資本金が1,000万円を超えた場合に親事業者に該当します。
親事業者に該当すると、下請法で規定する発注書の交付や支払期日を定める義務などの規制を受ける事になりますので、ご注意ください。
・親会社の禁止事項
http://www.koutori-kyokai.or.jp/law/subcontract/subcontract-5.pdf
(3)その他
中小企業基本法で定める「中小企業の定義」では、業種ごとに資本金の上限が定められていますが、資本金5,000万円以下であれば、どの業種であっても該当しますので、この点は変更ありません。
http://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html
制度融資などで中小企業を対象としているものは、この定義に沿って判断されますので、5,000万円超の増資につきましては慎重に検討する必要があると思います。
ご参考にしてください。
よろしくお願いいたします。
本投稿は、2014年07月31日 10時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。