為替差益の節税 贈与でできる?
<円高の時ドルを買ったので、為替差益が多くでています。
しかし、源泉分離課税ではなく、総合課税ということを最近知りました。
そこで質問なのですが、そろそろ子どもに毎年110万円以内で贈与していこうと
考えていたところなので、贈与する日の円換算で110万以内のドルを毎年贈与
していった場合、お互いに税金はかからないのでしょうか。
子どもがドルを円に替えても何の申告もいらないのでしょうか。
(贈与の書類は作ります)
税理士の回答
銀行預金に関しては、通常は相続以外では名義変更できないと思いますので、お父様からご相談者様に預金(外貨)を贈与する場合には、お父様は一旦、ドル預金の口座から引き出す必要があります。その時点で、今までは評価差額にすぎなかった為替差損益に相当するものが所得税法36条の収入すべき金額として実現したものと考えられますので、お父様の段階で「為替差益」を所得として認識することが必要ではないかと考えます。
次に、お父様からご相談者様に贈与された場合、それがドルで贈与されたときは贈与日における金融機関が公表する対顧客直物電信買相場(TTB)又はこれに準ずる相場によって換算し、贈与税の課税価格を算定します。その金額が110万円以下であって、同一年に他に贈与で取得した財産がなければ贈与税はかからないと考えて宜しいと思います。
なお、毎年贈与される場合には、贈与する都度、贈与者と受贈者が自署捺印した贈与契約書を取り交わすようにしてください。
宜しくお願いします。
何度もすいません、また説明が足らずに申し訳ありません。ドル貯金口座から、息子のドル貯金口にドルのままで振込む方法を考えていたのですが、やはり、円に変えず、ドルのまま振込みでも為替差益分は認識して申告しないといけないのでしょうか。
ご連絡ありがとうございます。
私の読み違いもありました、ご容赦ください。
国税庁ホームページの質疑応答事例に次のような解説がありますので、ご案内いたします。
【外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い】
「・・・ 外貨建預金として預け入れていた元本部分について、①同一の金融機関に、②同一の外国通貨で、③継続して預け入れる場合の預貯金の預入については、外貨建取引に該当しないこととされていますので、その元本部分に係る為替差損益が認識されることはありません。 ・・・ 本件預金の預入及び払出は、他の金融機関へ預け入れる場合であるとしても、同一の外国通貨で行われる限り、その預入・払出は所得税法施行令第167条の6第2項でいう外国通貨で行われる預貯金の預入に類するものと解され、所得税法第57条の3第1項の外貨建取引に該当しない、すなわち、為替差損益を認識しないとすることが相当と考えられます。」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/39.htm
なお、相続や贈与の場合には、相続人や受贈者が引き続きその資産を所有していたものとみなす取扱いになりますので、本件に関してはお父様の預け入れレートをご相談者様が引き継ぐことになるものと考えます。
宜しくお願いします。
本投稿は、2015年06月03日 15時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。