給与支払事務所等の開設届出書について
先日、一人株式会社を設立したのですが、今期は役員報酬をゼロにする予定です。
その際、ネットの情報では税務署には『法人設立届出書』と『青色申告の承認申請書』だけ提出すれば良いと書かれていました。
念のため、管轄の税務署にも確認しに行ったのですが、そこで対応いただいた税務署の方があまり話を聞いてくれず、『給与支払事務所等の開設届出書』と『源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書』も一緒に出してもらわないとダメです。と言われました。
【報酬ゼロなので給与支払いを開始する年月日】の箇所になんて書かば良いか分からないですし、書かなければ設立月から支払いがスタートしていると取られるようですし、どうして良いのが分からない状態です。
その税務署の方に聞いても具体的な事は何も教えてくれませんでした。
私の場合、本当に『給与支払事務所等の開設届出書』と『源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書』も提出しないといけないのでしょうか?
税理士の回答

本来は、給与の支払いの前までの提出でよいと思いますが、とくにデメリットもないので、設立時の提出でも問題ないと思います。

法人の場合、社会保険加入義務もあり、通常、報酬ゼロは想定できないですから。源泉の特例も、税務署の方は親切で言ってくれていますね。効果等、ご自身でご確認されると、有難いことだ、と感謝することになろうかと存じます。

「給与支払事務所等の開設届出」はいずれ給与の支払いが生じるものでしょうから、出しておく必要があります(所得税法230条)。
支払い開始年月日は、支払い開始の予定日(先の年月)の記入で大丈夫です。
「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」は提出しなければならないものではありません。こちらは任意です。しかし、この申請書を出すことで、毎月納付する手間が半年に1回に省略できますので、出しておかれた方が良いと思います(出しておいて損はありせん)。
10人未満の中小企業では殆どの会社が提出しています。

米津良治
給料を出す予定がないのであれば、「給与支払事務所等の開設届出」と「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」は提出する必要はありません。
いずれ給料を出す可能性があるのであれば、出しておいた方がいいという意見も多く、確かにそうなのですが、提出するデメリットもあります。
提出するデメリットは、源泉所得税の申告をする必要が生じることです。
給与支払事務所の届出をしている場合は、税務署から源泉徴収義務のある事業所だと認識されますので、給与の支給がない場合であっても、実際に給与の支給がゼロであった旨の申告をする必要があります。
具体的には、源泉所得税の納付書に、支給額ゼロ円、源泉税額ゼロ円と書いて、税務署に郵便などで提出をします。
ただそれだけではありますが、地味に面倒くさいですし、この提出を怠ると若干のペナルティがあります。
若干のペナルティについてご説明いたしますと、
前提として、源泉所得税の納付もれは「イエローカード」→「レッドカード」制となっておりまして、うっかり納付もれがあっても最初の1回であれば不納付加算税が免除されます。
ところが、上記のゼロ円申告を怠っていると既に「イエローカード」が出ている状態となりますので、次の1発で「レッドカード」となります。
もちろん、しっかりと申告・納付をしていれば何の心配もありません。
以上のことを踏まえて、申請書の提出をご検討いただくといいかと思います。

給与以外にも、税理士や司法書士などの源泉徴収の必要もあるため、設立時の提出で問題ないと思います。
給与の支払いがなければ、0円納付書は不要と思いますが。
ご返答いただき誠に有難うございます。
現在の予定では2〜3年間は報酬無しで運営する予定なのですが、今回もし『給与支払事務所等の開設届出書』を提出するとなった場合は給与支払いを開始する年月日はいつと記入すればいいのでしょうか?

備考欄に、その旨を記載してもらえば、大丈夫と思います。

給与支払い開始日は空欄にして、「その他参考事項」の欄に当面の間は給与の支払い予定がない旨を記入して提出されると良いと思います。
皆さま
大変勉強になりました。
絶対こうでないといけないというかたちがあると思っていたのですが、いろんなパターンがあるのですね。
誠にありがとうございました。
本投稿は、2018年06月08日 01時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。