合同会社の有限責任社員を辞めたい
私とAさんの2名で登記されている合同会社です。
もともとAさんご夫婦が経営していた合資会社があり、奥様が亡くなった際、会社が2名以上でないとなくなると言われ、出資し、合同会社に変更しました。
会社の経営はAさんが行っていました。しかし、Aさんは経営を真面目に行わず経営を放棄されてしまいました。
それで、放棄されて10年近く経つのですが、私としては、このまま会社の社員として名前が残るのはいいことに思えません。
そもそも、合同会社は1名でも成り立ったはずですから、私に出資させたこと、そしてそのお金を受け取ってからの行動から、相手に騙されたように感じています。
Aさんには、名前を抜きたいとメールにて連絡しているのですが、同意してもらえそうにありません。
この場合でも私は社員を辞めることができますか?
出資金を放棄してもいいので、辞められたらと思っています。
税理士の回答

米森まつ美
回答します
合同会社の社員が退社する場合として
1任意退社 2法定退社(一定の事由が生じた場合に当然に退社すること) 3強制退社(持分の差し押さえなど) が定められています。 (会社法606,607,609)
今回は「1」の任意退社の内「予告退社」について紹介します。
もともと、合同会社の社員には、「出資の払い戻しの事由(会社法624)」及び「退社の自由(会社法606)」があります。しかし、ある一定の条件が付されています。
①合同会社の存続期間の定めを定款で定めなかった場合又はある社員の終身の間存続することを定款で定めた場合には
②(退任したい社員は)6か月前に会社に予告することにより
③事業年度の終了時に退社できることとされています。(会社法606①)
本来、社員は何らの制限もない自由な退社が認められてしかるべきですが、合同会社においてのみ、「会社にとって大きな影響が出ないよう社員が6ヶ月前の予告をした場合に限り、会社の計算が複雑とならないよう事業年度末日における退社が認められる」という条件が付されています。
この条件は、社員相互の信頼関係が基礎となる持ち分会社において、社員が一方的な意思表示で退社できるのは適当ではなく、社員の利益と会社の利益のバランスをとったためと考えられています。
なお、定款の定めで退社をもっと容易にしている場合は、定款の定めに沿って退社することができます。
ただし、退社と同時に退社した社員は、持ち分の請求権が認められていますので、当該請求権を放棄するのであれば、内容証明などで放棄した旨を会社(代表者)に伝える必要があると考えられます。
どうぞ参考にしてください。
※ 実際の登記等に関しては、司法書士先生の仕事の範疇になるため、条文の紹介のみで申し訳ございません。
ありがとうございます。司法書士会の相談会へ行きたいと思います!

米森まつ美
ベストアンサーをありがとうございます。
知人との会社経営は難しいものです。心中お察し申し上げます。
さて、相談会に行かれるときには「定款」をお持ちになられたほうがよろしいかも知れません。その上で、手続きを確認されることをお勧めします。
本投稿は、2020年08月27日 09時21分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。