不動産を個人か合同会社で購入か
お世話になります。
現在、投資用に築古戸建の購入を検討しております。
以下の前提ですと、個人で購入するべきか、合同会社設立して購入すべきか助言頂けますと幸いです。
・土地+建物で250万円、リフォーム代で250万円、賃料収入5万円/月。
・個人の年収は1,000万円以上、妻と義父を税務上の扶養。
・個人で保有する場合、5年間は売却時の税率が40%のため、Exitは保有してから、5年間超が経過した場合。
・合同会社の場合、代表は自身、役員に妻。妻だけ役員報酬で給与支払い。ただし、妻は扶養を外れない金額までの報酬。(そもそも賃料が少ないため、そこまで行きませんが。)
・同様の物件も今後も購入していく可能性あり。
また、個人 or 合同会社と申しておりますが、他にもよいスキームなど御座いましたら、アドバイス頂けますと幸いです。何卒宜しくお願い致します。
税理士の回答

岸田康雄
不動産投資を個人で行うか法人で行うかの判断ですが、所得税の節税目的と相続税の節税目的によって、大きく異なります。おそらく本件は所得税の節税目的と推測します。
その場合、現在のご本人の現在の所得水準とそこから所得がどれだけ上がるかで判断します。土地+建物+リフォームとのこと、減価償却費を多く計上できるとしても、年間20万円くらいでしょう。家賃収入60万円の範囲内です。自己資金で購入されたのであれば、支払利息はゼロですね。後は、管理費でしょう。それでも、黒字経営となり、初年度から所得が発生するのではないでしょうか。
さて、現在の給与収入が1,000万円とのことですが、所得はどれくらいでしょうか。所得控除を多く取られているのであれば、所得が小さくなっており、税負担は小さいはずです。そうであれば、追加で不動産所得が発生したとしても大きな影響はありません。それゆえ、個人経営のほうが有利ということになります。
今後、給与所得が上がる、不動産所得が上がるなどして、所得ベースで700万円を超えた場合は、不動産は法人経営するほうが税負担は軽くなります。
その場合、すでに購入済みの物件については、建物のみ法人に移転すればよいでしょう。
岸田様
ご説明有難う御座います。仰る通り、所得税の節税の観点よりご質問をさせて頂きました。
所得ベースで700万円以下まで個人で買い進めることにしたいと思います。
最後の一文で建物のみ法人に移転とのことでしたが、土地を移転しない理由をご教授お願い致します。
建物だけ移転すれば、家賃収入は法人につくのでしょうか。

岸田康雄
不動産を法人に移す場合は、譲渡所得に対する税負担が問題となります。土地は値上がりした場合に譲渡所得が発生しますが、建物は値上がりするケースがなく、実務上も帳簿価額で譲渡しますので、譲渡所得が発生しません。それゆえ、通常は建物のみ譲渡します。
ご質問者様のように、土地を相続ではなく投資用に購入されているようであれば、譲渡所得が出る可能性が小さいので、土地も譲渡してしまってもよいでしょう。
本投稿は、2017年07月04日 07時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。