障害のある配偶者の控除・手当等に関するご相談
今年結婚しまして、配偶者が精神障害者保健福祉手帳2級を所持しており、障害年金(2級16号)を受給しております。
今後受けられる可能性のある控除や給付、申請手続きについてご相談させていただけますでしょうか。
【世帯状況】
■夫(本人)
・会社員
・年収:700〜800万円(給与所得)
■妻(配偶者)
・精神障害者保健福祉手帳2級
・障害等級2級16号
・障害年金(基礎・厚生)年額:140〜150万円
・その他収入:なし
・現在は国民健康保険に加入し保険料を支払い中
自分で調べたところ、以下の制度が該当する可能性があると考えていますが、申請方法についてご教示いただけますでしょうか。
・配偶者控除
・障害者控除
・社会保険料控除(妻の国民健康保険料を夫が支払っているため)
・配偶者加給年金(加算)
その他、利用可能な控除や制度があればご教示いただきたいです。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
税理士の回答
1. 所得税・住民税の控除関係
(1)配偶者控除または配偶者特別控除
適用の可能性:あり(条件付き)
• 障害年金は非課税所得です。したがって、奥様の「合計所得金額」は0円とみなされます。
• よって、ご主人の所得が1,000万円以下であれば、「配偶者控除(38万円)」を適用可能です。
【手続き方法】
• 勤務先の年末調整時に提出する「扶養控除等申告書」に配偶者情報を記入。
• 年末調整で控除されなかった場合は、確定申告で適用可能。
(2)障害者控除(配偶者が障害者)
適用の可能性:高い
• 精神障害者保健福祉手帳2級をお持ちの場合、税法上の「特別障害者」に該当します。
• ご主人が配偶者を扶養している場合は、「配偶者が特別障害者控除(40万円)」を受けられます。
【申請方法】
• 年末調整または確定申告時に「障害者手帳の写し」を添付・提示。
• 勤務先の「扶養控除等申告書」の障害者区分にチェックを入れる。
(3)社会保険料控除
適用の可能性:あり
• ご主人が奥様の国民健康保険料を支払っている場合、その保険料はご主人の社会保険料控除の対象になります。
【申請方法】
• 支払証明書(市区町村から届く納付証明書)を添付。
• 年末調整時または確定申告で申告可能。
2. 年金関連(配偶者加給・その他)
(1)配偶者加給年金
対象:夫が厚生年金受給者になる際に適用可能(将来の話)
• ご主人が将来、老齢厚生年金を受給される際、生計を一にする65歳未満の配偶者がいる場合に「加給年金」がつく可能性があります。
• ただし、奥様が障害年金を受給している場合は重複支給できないケースもあります(支給調整が行われる)。
【手続き】
• 将来、ご主人が老齢厚生年金を請求する際に、日本年金機構へ「加給年金の申出」を同時に行います。
3. 社会保険(健康保険・年金)
(1)奥様の健康保険を夫の扶養にできる可能性
ポイント:障害年金は「収入」とみなされない
• 奥様の障害年金収入が非課税であり、他に収入がないため、ご主人の健康保険の扶養に入れる可能性が高いです。
• 扶養認定基準は健康保険組合によりますが、通常「年収130万円未満」であれば認定されます。
• 奥様の障害年金を除けば、収入0円ですので、ほとんどの組合で扶養認定可能です。
【手続き】
• ご主人の勤務先を通じて「健康保険 被扶養者(異動)届」を提出。
• 添付書類:障害年金の年金証書、手帳のコピー、所得証明など。
4. 自治体による福祉サービス・手当
奥様が「精神障害者保健福祉手帳2級」をお持ちですので、自治体の障害福祉課で以下の支援が受けられる場合があります。
主なもの:
• 医療費助成(自立支援医療〈精神通院医療〉)
• 障害者控除対象者認定書(税控除を簡易化)
• 障害者割引(交通機関、NHK受信料、水道料金など)
• 障害福祉サービス(就労支援、デイケア、訪問支援など)
• 所得に応じた各種減免(国保税・住民税・公営住宅など)
【手続き】
• お住まいの市区町村の「障害福祉課」または「福祉事務所」で相談。
• 必要書類:手帳、マイナンバー、印鑑など。
詳細にご回答いただきありがとうございます。大変よく理解できました。
本投稿は、2025年10月22日 12時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。






