離婚後に元自宅を元妻に貸す場合の不動産所得の赤字と住宅ローン控除について
会社員です。離婚に伴い、自分名義の建物(土地は元妻の親族名義)に元妻と子が住み続け、私は毎月6万円を受け取る予定です。
私は別の場所に住んでいます。
【状況】
・建物:自分名義、構造は木造、取得価額は約3,200万円
・土地:元妻の祖父名義(私は土地を所有していません)
・住宅ローン:借入2,100万円、35年、固定金利0.95%、現在5年目、月約6万円返済
・建物の固定資産税:年約20万円(元妻が私に代わって支払う予定)
・自分が住んでいた期間:2021年11月〜2026年10月(現在は別居中)
・住宅ローン控除:受けている
【質問】
1. 収入(6万円×12か月+固定資産税20万円)から、ローン利息・減価償却費・固定資産税を差し引くと赤字になると考えていますが、この考え方で合っていますか?自宅を貸す場合の減価償却費の計算方法も教えてください。
2. 赤字になった場合、給与所得と損益通算できますか?
3. 黒字でも少額の場合、「給与以外の所得が20万円以下なら確定申告不要」のルールは当てはまりますか?
4. 住宅ローン控除は、いつから受けられなくなりますか?別居後も年末調整で控除を受けていた場合、どのような手続きが必要ですか?
税理士の回答
ご提示いただいた状況における税務上の取り扱いについて回答いたします。
1、収支計算と減価償却費について
お考えの通り、収入(家賃72万円+立替払いの固定資産税20万円=年92万円)から利息・減価償却費・固定資産税を差し引くと、赤字になる公算が大きいかと存じます。
自宅を貸し出す場合、まず「自宅利用期間」の価値減少分(木造の場合、法定耐用年数22年の1.5倍=33年、償却率0.031で計算)を取得価額から差し引き、貸付開始時の「未償却残高」を算出します。
その後、貸付期間は通常の法定耐用年数(22年、償却率0.046)で毎年の減価償却費を計算します。
2、損益通算について
原則として、不動産所得の赤字は給与所得と損益通算(相殺して税還付を受けること)が可能です。ただし、元親族への賃貸であり、月6万円という家賃が近隣相場より著しく低いと判断された場合、「業務としての実態がない(単なる生活費の分担)」とみなされ、損益通算が否認されるリスクはございます。
3、20万円以下の申告不要ルール
不動産所得が黒字になった場合でも、給与以外の所得の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です(ただし、お住まいの市区町村へ住民税の申告は別途必要です)。
4、住宅ローン控除と年末調整の修正
ご自身が「居住しなくなった年(2026年)」から控除の対象外となります。
10月に別居したにもかかわらず年末調整で控除を受けてしまった場合は、ご自身で2026年分の確定申告を行い、過大に還付された税金を納付し直す必要がございます。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
ご返答ありがとうございます。2、損益通算についてのご回答で、「損益通算が否認されるリスクはございます。」とありますが、否認されるとなにか不都合ごさいますか?ただ、否認されるだけということでしょうか?お恥ずかしながら税のことは何も分からなく、ご教示いただけますと幸甚です。
損益通算が否認された場合、主に以下のデメリットが生じるかと存じます。
1、期待した節税(還付)が受けられない
給与所得から赤字を差し引くことができないため、想定していた所得税の還付や、翌年の住民税の減額が受けられず、税負担が減りません。
2、ペナルティ(附帯税)の支払い
確定申告で損益通算をして税金の還付を受けた後に、税務署から否認された場合、本来納めるべきだった税金を納め直す(修正申告)必要があります。
その場合、ペナルティとして「過少申告加算税」や、納付が遅れたことによる「延滞税」が上乗せして徴収されます。
後から否認されると余計な税金を払うことになる可能性があるため、税務署に説明できる客観的な根拠(適正な家賃設定など)を元に申告する事が重要になるかと存じます。
本投稿は、2026年10月15日 19時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







