住宅ローン 妻から夫への資金移動した場合の共有名義の按分について
5000万円のマンションを購入しました。
購入の際、諸費用+頭金用で妻の口座から1000万円を私の口座に移動させました。
建物は共有名義としますが、共有名義の按分割合を決める考え方はどちらになるかご教授いただけないでしょうか。
①妻の口座から移動させた1000万の内訳に関わらず、5000万のうち1000万をし払っているため単純に20%となりますでしょうか。
②妻の口座から移動させた1000万の内訳が300万諸費用/750万建物の頭金の場合、750万が按分の対象となり15%になりますでしょうか。
税理士の回答
結論としましては、ご提示いただいた②の考え方(物件価格のみを基準とした15%)を取るのが良いかと存じます。
持分割合の計算において、仲介手数料や登記費用などの「物件取得に直接要した費用」を含めること自体は税務上許容されます。
ただし、ローン事務手数料や保証料といった「個人の資金調達コスト」までを含めることはできません。
これらを混同して持分全体を計算してしまうと、物件そのものへの実際の出資割合と登記上の持分にズレが生じ、税務署から「贈与」があったとみなされて贈与税が課せられるリスクが発生します。
*直接的な取得費用だけを抽出して持分に反映させることは可能ですが、「15.23…%」のような複雑な割合の登記になりやすく、将来の売却時における計算等も煩雑になりやすくなります。
そのため、実務におけるセオリーとしては、「登記上の持分割合は純粋な物件代金のみをベースにシンプルに計算する(今回の例では750万÷5000万=15%)」とし、「残りの諸費用300万円については、持分比率等に応じて夫婦間で別途現金で精算する」という手法をとるのが、最も確実で税務トラブルを防ぐことが出来るかと存じます。
回答は以上となります。
ご参考になりましたら幸いです。
波多野暁生
共有持分は、夫婦それぞれが実際に負担した「不動産の購入代金」の割合に合わせるのが基本です。
国税庁も、夫婦の実際の購入資金の負担割合と登記上の持分割合が異なる場合、その差額について夫婦間の贈与となることがあるとしています。
したがって、マンション本体の購入価格が5,000万円で、奥様の資金のうち実際に売買代金(頭金)に充てた金額が750万円であれば、単純計算では、
750万円 ÷ 5,000万円 = 15%
となります。
奥様からご主人の口座へ1,000万円を移したという事実だけで、奥様の持分が20%になるわけではありません。
残りが登記費用、住宅ローン関係費用、保険料等の諸費用に使われたのであれば、通常、それらをそのままマンションの持分割合に加えるものではありません。
なお、諸費用についても、夫婦のどちらの取得に対応する費用なのかを考慮する必要があります。奥様がご主人の負担すべき費用まで負担している場合には、別途贈与の問題が生じる可能性があります。
また、住宅ローンも含め、最終的には「夫婦それぞれがマンションの購入代金をいくら負担したか」と登記持分を一致させることが重要です。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4411.htm
ご回答いただきありがとうございます。
今回住宅ローンの中に諸費用も含めましたので、実際の内訳とは別に
妻が1000万円分を建物費用(頭金)に充てたと考えたほうが諸費用分をわざわざ考える必要がなくなるのではないかと思ったのですが、自分の認識に相違はありますでしょうか。
お手数ですが、ご回答いただけますと幸いです。
波多野暁生
ご質問のように、住宅ローンの借入額の中に諸費用分も含まれており、購入代金と諸費用の合計額を「奥様の自己資金1,000万円+ご主人の住宅ローン」で賄っているのであれば、奥様の1,000万円を住宅本体の購入代金に充て、ご主人の住宅ローンの一部を諸費用に充てたものとして整理することは可能と考えます。
例えば、
マンション購入価格 5,000万円
諸費用 300万円
総必要資金 5,300万円
これを、
奥様の自己資金 1,000万円
ご主人の住宅ローン 4,300万円
で支払うのであれば、住宅購入代金5,000万円について、
奥様 1,000万円
ご主人 4,000万円
を負担し、残りの住宅ローン300万円を諸費用に充てたものとして整理すれば、
奥様の持分 1,000万円÷5,000万円=20%
ご主人の持分 80%
とする考え方でよいと思います。
したがって、必ずしも「奥様から振り込んだ1,000万円のうち、実際にどの300万円が諸費用に支払われたか」といった資金の色分けまで行い、奥様の持分を15%としなければならないものではありません。
ただし、税務上重要なのは、形式ではなく夫婦それぞれの実際の資金負担です。そのため、住宅ローン契約上も諸費用を借入対象としていること、自己資金・借入金・購入代金・諸費用の合計額が整合していることが前提になります。
奥様の1,000万円を住宅購入資金として負担したことが分かるよう、資金移動の記録や売買契約書、住宅ローン関係書類等は保存しておくとよいでしょう。
国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4411.htm
相亰俊信
お世話になります。
結論としては、②の考え方が基本となります。共有名義の持分割合は、物件の購入代金のうち、各人が実際に負担した金額の割合で決めるのが原則です。ご主人の口座を経由していても、奥様の資金のうち物件代金に充てた部分が奥様の負担額となります。
理由は、持分割合と実際の負担額がずれると、多く負担した方から少ない方へ、差額分の贈与があったとみなされるためです(相続税法第9条、みなし贈与)。たとえば奥様の持分を20%とした場合、5000万円×20%=1000万円分の持分を取得したことになります。実際の物件代金の負担が750万円であれば、差額250万円はご主人から奥様への贈与と扱われる可能性があります。
なお、ご記載の内訳は300万円+750万円=1050万円で、移動額の1000万円と一致しません。通帳や領収書で内訳をご確認ください。前提ごとの計算は次のとおりです。
・物件代金に充てた額が750万円であれば、750万円÷5000万円=15%
・物件代金に充てた額が700万円(諸費用300万円)であれば、700万円÷5000万円=14%
諸費用300万円の扱いにも注意が必要です。仲介手数料や登記費用など、物件の取得に直接かかった費用(取得のための付随費用)は、取得価額に含めて持分を計算する考え方もあります。その場合は、分母を物件代金と付随費用の合計、分子を奥様の負担額(付随費用分を含む)として計算します。一方、ローン保証料や火災保険料などはこの計算に含めないのが一般的です。奥様が負担した諸費用をどちらの方法で扱うか、ご夫婦の間で整理しておくとよいでしょう。
また、上記はローン残額をご主人が単独で借り入れ、返済もご主人が行う前提です。夫婦の連帯債務やペアローン(夫婦それぞれが別々に借りるローン)であれば、各人の借入負担額も持分計算に含めることになります。
マンションは通常、建物と土地の権利(敷地権)がセットのため、建物と同じ割合で土地も共有とするのが一般的です。住宅ローン控除も持分や負担割合に応じて計算されます(住宅ローン控除の場合は、マンション購入の対価に①売買契約書等に添付した印紙、②不動産仲介手数料、③不動産取得税等及び登録免許税などは含まれないので注意が必要です。租税特別措置法第70条の2、第70条の3)ので、登記前に割合を確定させておくことをおすすめします。
本投稿は、2026年10月18日 00時08分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







