過去の年末調整にて扶養控除を過大につけていた場合の訂正について
年末調整にて扶養控除を過大にとってしまっていた場合(例えば子供の給与収入が103万を超えているのに扶養親族として申請したとき)、それを修正するためには再年末調整をする必要があると思います。
しかし、その会社を退職しており再年末調整が難しい場合、確定申告の提出によって所得税を精算することができると思うのですが、提出がその年の3月15日を過ぎていた場合「期限後申告書」として扱われ、加算税が課されるのでしょうか?それとも給与所得者なので申告義務がないことから「期限後申告」ではなく、ただ、不足分の税額を納めるだけになるのでしょうか?
所得税の基本通達121を見てみると確定申告を要しないものから申告書の提出を受けた場合所得税法120条の確定申告として扱うと書かれていました。このことから確定申告を要しない人が確定申告を出したことによって加算税を課されることになりますか?
税理士の回答
再年末調整ではなく、確定申告で修正します。貴方は要確定申告ですから、3/15までに申告・納税をしなければ、延滞税の対象になります。会社は貴方が扶養について間違えて報告したことに対してペナルティはありませんから、貴方自身が会社に間違えて報告したことに対して確定申告しなければペナルティが課される制度設計になっておりますので、裁判しても100%負けます。勝ち目は全くありません。おかしいと思うなら、なぜ政府を変えてこなかったのですか、という話にしかなりません。
回答ありがとうございます。要確定申告ということでしたが、源泉徴収をされるべき給与所得の支払いを受けるものに関しては国との直接の法律関係はなく、たとえ納付すべき所得税があったとしても、所得税法121条の通り確定申告の義務はないものと考えております。(所得税法121条は納付すべき税額があると確定申告を要するとの記載はなく、あくまで給与所得者は確定申告を要さないという内容。)
例えば最判平成4年2月18日の所得税更正処分取消事件や、他の判例においても、国と給与の支払いを受けるものに関しては直接の法律関係がないことは示唆されています。そのため国税は所得超過のため扶養を取れないにも関わらず取っている給与所得者について所得税の決定処分を行うことはできません。
さらに、所基通194〜198共-1では、年末調整における扶養控除申告書の期限後提出があった場合には不足税額のみを給与から徴収することとされており、加算税については規定されておりません。
他にも、所基通121-2では所得税法121条で規定する確定申告を要しないものから提出された申告書に関しては撤回、納付した税額の還付が認められる旨が規定されています。
その上で、確定申告を要しないが納付すべき税額があるものが確定申告を期限後に行なった場合期限後申告として扱われ加算税は課されるのでしょうか?
そこまで調べていらっしゃるなら、税務署とケンカされたらどうですか?最高裁まで行っても勝てないと私は考えていますが。最高裁H4.2.18は、退職所得の源泉税が間違っていて、間違えた源泉徴収票・法定調書に基づく還付申告ではなく、正しい税額が引かれていたものとして還付申告をしたところ、国が還付できるのは誤った源泉徴収票・法定調書に基づき国に納付された税額が限度であり、間違いを是正するための還付請求をする相手方は、国は法律上無関係に当たるので会社だ、という事例です。
貴方のケースは間違えて国に過少納付になっているケースで、正しい年税額の方が大きいケースですので、直接国に納付して頂かないと、延滞税がどんどん過大になっていくケースなので、還付請求と事例が違うと言わざるを得ません。
貴方が主張するように会社に再年末調整を要求することはできますが、会社がいつまでも実行しない場合でも、会社が国から請求される延滞税は全て貴方に求償する権利を会社は持っていますから、最悪の場合、何年もわざと会社が処理をしないまま、税務調査まで放置し、5年後に会社への課税処分があってから14.6%の延滞税の5年分を、求償権に基づいて貴方に請求することができるのです。合計70%加算されるのですから、会社に要求するよりも、確定申告で国が調整した方が法的安定性の観点から国民の権利が守れるのですね。
延滞税の計算は法定納期限から始まりますから、期限後申告になれば延滞税の計算が始まってしまいます。100円未満切捨てなので、計算上100遠藤を超えないと延滞税の請求はありません。
本投稿は、2023年03月01日 22時30分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。