個人の雑所得の把握
個人が商品Aを18万円で現金店頭買取してもらったとします。極端な例ですが、同様に商品Aの買取を別々の30店舗でも行った場合、税務署としてはこの個人が年間で計540万円買取りで現金を得たことは通常把握できるものでしょうか?(積極的にこの個人について調べればもちろんわかりますが、きっかけがないとそのようなことにはならないですよね)
各店舗としては小規模の取引なのでどうなっているのか気になります。よろしくお願いします。
(もちろん銀行口座への一括の振り込みや、そのお金で高額の買い物をするということはしない前提です。)
税理士の回答

あくまでも私見と経験値で申し上げますと「通常把握できるもの」ではありませんが、古物商の許可を取得して古物営業を始めると、古物営業法により色々な義務が課されます。 その中でも重要なのは、防犯三大義務と呼ばれているもので、「取引相手の確認義務」、「不正品の申告義務」、「帳簿等への記録義務」の三つです。
「個人が商品Aを18万円で現金店頭買取してもらった」場合、原則古物営業法で本人確認及び帳簿への記載が必要とされるのが「1万円以上で古物を買い受ける場合」ですので、当然当該取引は確認の対象となります。
この古物商に対する税務調査の際には、当然仕入内容の確認で取引先である「個人が商品Aを18万円で現金店頭買取してもらった」者も把握されます。
「同様に商品Aの買取を別々の30店舗でも行った場合」には、それぞれの店舗に対して反復継続して商品売買を繰り返していることを累計的に当局に把握されることになります。このような資料情報の蓄積によって「この個人が年間で計〇〇万円買取りで現金を得たこと」を推測することができます。
詳細に解説していただきありがとうございます。
それぞれの店舗に対して反復継続して商品売買を繰り返していることを累計的に当局に把握されることになります。
とありますが、その個人に注目して調べていれば把握ができるかと思うのですが、1店舗の税務調査では注目にあがってきにくいのではと考えてしまうのですがいかがでしょうか?
また、税務調査は全国の買取業者すべての店舗が毎年一斉に行うわけではないとおもうのですが、通常何年おきなど決まっているものなのでしょうか?そして、タイミングが各店舗まちまちだった場合、それぞれの店での税務調査の内容をすべて合わせて集計し、一個人の情報を把握しているものなのでしょうか?

おっしゃる通り「1店舗の税務調査では注目にあがってきにくい」「税務調査は全国の買取業者すべての店舗が毎年一斉に行うわけではない」とお考えいただくのは当然と思います。あまり詳細には申し上げられませんが、今のご時世では財務会計についてのデジタル電子情報による処理が一般的ですので、取引内容の収集保存管理等が過去に比べ容易となっています。調査で把握した広域的かつ長期間の取引情報であっても統合や照合及び抽出が可能です。個人情報の管理はシビアですので部外には流出しませんが、個人番号の普及もあり、事業や給与収入及び金融情報等はある程度のレベルまで「一個人の情報を把握している」と考えて差し支えないと思われます。
もちろん課税上弊害のない少額な取引は問題ありませんが、「同様に商品Aの買取を別々の30店舗でも行った場合」には注目される可能性はあります。税務署も人的に余裕はありませんので、例えば貴金属等の高額な商品やスクラップ等の換価性のある有価物、あるいはWeb上のフリマサイト等で税務上問題のある案件に絞って情報収集するのが一般的と思料されます。
詳細にご説明いただきありがとうございました。
店頭での現金買取よりは、近年よくあるネット上でのフリマサイトなどを複数使ったりして販売したりするほうが複数サイトに渡っての累計など把握されやすいということでしょうかね。
本投稿は、2024年11月28日 08時32分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。