題:25歳/海外在住2年目/年収入103万円以下の者の日本国内納税について。
質問①:以下の認識に間違いは無いでしょうか?
住民税と所得税に関して
日本国内居住者の場合
→年収103万円以下の場合免除
日本国内非居住者の場合
→基礎控除、給与所得控除の2つが適応されず、アルバイト収入に対して一律で20.42%(源泉徴収)の税率が課される。
質問②:上記が正しければ、今年収入103万円以下(日本企業のリモートバイト)且つ住民票は日本住所の自分は確定申告の必要がありませんか?
質問③:2年目からは住民票を抜く為、日本国内非居住者という扱いになります。また、仕事も現地の仕事に就く予定です。その場合、日本国への住民税と所得税は納税しなくて良いという認識であっていますでしょうか?
質問④:2年目以降自分が留意しなくてはいけないのは「国民年金支払いの延長」のみだと考えておりますが、その他海外在住でも日本国籍の場合支払い義務が生じる税金はありますでしょうか?
経緯:初めまして。今年より海外に移住し、現在10ヶ月が経ちました。昨年大学を卒業したということもあり、納税に対し詳しい知識を有しておりません。
海外移住者の確定申告について調べていた所数カ所疑問点があった為こちらで相談させていただくことにしました。お詳しい方がいらっしゃいましたら何卒宜しくお願い致します。
税理士の回答

石割由紀人
質問①
認識は概ね正しいです。
- 日本国内居住者の場合
所得が103万円以下であれば、基礎控除48万円と給与所得控除55万円が適用されるため、課税所得は0円となり、所得税は発生しません。また、住民税も基礎控除や住民税非課税基準(多くの場合100万円前後)があるため、免除されます。
- 日本国内非居住者の場合:
基礎控除や給与所得控除は適用されず、アルバイト収入等の国内源泉所得に対して一律20.42%の税率で課税(源泉徴収)されます。ただし、非居住者であっても「日本国内にある給与支払者(勤務先)」が雇用主であり、給与所得者として源泉徴収されている場合は、確定申告を行えば超過分の還付を受けられる可能性があります。
質問②
現時点で確定申告の必要はない可能性が高いです。
- あなたの住民票が日本国内にあり(実態はともかく行政も税務署も居住者として扱います)、年間収入が103万円以下であるならば、居住者としての控除が適用されます。この場合、所得税は課されず、源泉徴収されている場合も全額還付される可能性が高いため、確定申告をしないことも選択肢です。
- ただし、103万円以下でも、税務署から源泉徴収票の提出が求められる場合や、還付を受けたい場合には確定申告が必要です。
質問③
認識は正しいですが、いくつか留意点があります。
- 住民票を抜いた場合
非居住者(住民票を抜くことで行政も税務署も非居住者であることを把握することになります)となり、日本国内での所得税や住民税の課税対象から外れます。ただし、日本国内で給与所得やその他の国内源泉所得がある場合は、非居住者として20.42%の源泉徴収が適用されます。非居住者は原則として住民税の納税義務はありません。
- 現地の仕事に就いた場合
日本での所得がなく、現地で納税義務を果たしているならば、日本での所得税や住民税は基本的に不要です。ただし、日本国内の不動産所得や株式配当等の国内源泉所得がある場合には、日本国内での申告・納税が必要です。
質問④
主に以下の点を留意してください。
1. 国民年金の任意加入
住民票を抜いて海外に住む場合、国民年金は任意加入制となります。老後の年金受給額を確保したい場合は、継続加入を検討してください。
2. 日本国内の資産や所得
非居住者となった後も、日本国内に資産(不動産、株式など)を持つ場合、または所得(家賃収入、配当金など)が発生する場合、それらに対して税金が課されます。
3. 相続税
海外在住でも日本国籍を保持している場合、原則として相続税が日本で課税されます。特に日本国内に資産を持つ親族からの相続がある場合は留意してください。
4. 消費税還付や事業活動
非居住者でも日本国内で事業を行う場合、消費税の申告義務が生じることがあります。
補足
移住時や非居住者扱いになる際は、本来タイムリーに住民票の除票届や、海外転出届を役所に提出する必要があります。
本投稿は、2024年12月15日 05時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。