FANZA・DLsiteで支払いが繰越された場合の記帳について
FANZAやDLsiteといったサイトで同人を販売しています。
その際の仕訳の仕方について質問があります。
FANZAから毎月支払通知書が届くのでそれを基に入力しています。
仕訳方法はネットで調べて書いてあった通りにしています(数字は適当です)
締め日
売掛金 3,600 / 売上高 4,000
事業主貸400 / :源泉所得税
問題なのは繰越した場合で、FANZAの場合は3,000円未満の金額は次月繰越になるのですが、3,000円を越えた月の通知書の源泉徴収額が数ヶ月分まとめて記載されています。
例)
5月
売掛金 2,000 / 売上高 2,000 :5月分売上(3,000円未満で振込がないので源泉徴収の記載もなし)
6月
売掛金 4,500 / 売上高 5,000 :6月分3,000+繰越した5月分2,000
事業主貸500 / :源泉所得税(通知書に2ヶ月分で計算されている)
この書き方だと5月分が二重に計算されるためおかしくなります。
かといって売上高を6月分のみにすると源泉徴収額だけ2ヶ月分で計算されているためつじつまが合わずこれまたおかしいことになります
この場合どう仕訳するのが正解なのでしょうか
税理士の回答
増井誠剛
結論から申し上げますと、売上の認識を正しく行うためには、「売掛金の繰越処理」と「源泉所得税の計上タイミング」を整理する必要があります。
FANZAの繰越ルールによって、実際の振込タイミングがズレても、売上は発生した月に認識するのが原則です。
そのため、5月分の売上2,000円は5月時点で売上計上し、6月には繰越処理を行います。5月の仕訳は、売掛金2,000円を売上高として計上し、源泉徴収の処理は行いません。6月の仕訳では、6月分の売上3,000円を売掛金として計上し、5月の売掛金2,000円を繰越処理することで二重計上を防ぎます。さらに、6月の支払通知書に基づき、源泉所得税500円を売掛金から差し引くことで、帳簿上の整合性を保つことができます。
この方法を用いることで、発生主義に基づいた正確な売上計上が可能となり、実際の振込額とも整合性が取れます。
増井様、回答ありがとうございます。
質問後自分でも調べ、今は売上があった日ではなく振込があった日に源泉所得税を引く記述に変更しました。
5月 売掛金 2,000 / 売上高 2,000
6月 売掛金 3,000 / 売上高 3,000
7月振込日
普通預金 4,500 / 売掛金 5,000
事業主貸 500
繰越処理の記述方法がわからないのですがどのように記述すればよろしいでしょうか。
増井誠剛
なるほど、繰越処理については、源泉所得税の扱いをどうするかがポイントです。
7月の振込時、売掛金の回収額(5,000円)から源泉所得税(500円)が差し引かれて4,500円が入金されるため、「事業主貸 500」として処理されています。このままだと、500円分が未回収のままになってしまうので、年末調整や確定申告の際に「仮払税金」などの勘定を使って計上し、還付される場合はその分を処理する形がスムーズでしょう。
具体的には、7月の仕訳に
仮払税金 500 / 事業主貸 500
を加え、確定申告で還付を受ける場合は
普通預金 500 / 仮払税金 500
で処理すると綺麗に収まります。
回答ありがとうございます。大変参考になります。
私は弥生会計を使っているのですが仮払税金という科目がありませんでした。代わりに仮払金という科目があったのですがこの科目で問題ないでしょうか。その場合、以下の通りで間違いないでしょうか?
5月 売掛金 2,000 / 売上高 2,000
6月 売掛金 3,000 / 売上高 3,000
7月振込日
普通預金 4,500 / 売掛金 5,000
仮払金 500 / 事業主貸 500
還付金が振り込まれた日に計上
普通預金 500 / 仮払金 500
また、12月だけは今期に間に合わせるため振込日ではなく締め日に源泉所得税を計上していますがこちらも問題ないでしょうか。
増井誠剛
弥生会計では「仮払税金」がないため、「仮払金」を使う処理で問題ありません。
仕訳の流れについても、記載いただいた内容で適切です。つまり、
① 源泉徴収された額を仮払金で処理し、
② 還付時に仮払金を消す形になります。
【7月振込時】
普通預金 4,500 / 売掛金 5,000
仮払金 500 / 事業主貸 500
【還付時】
普通預金 500 / 仮払金 500
また、12月だけ締め日に源泉所得税を計上する処理についてですが、これも問題ありません。年末調整の関係で年内に計上するのは一般的です。
ただし、翌年の振込時に再計上しないよう注意してください。適切な期ズレ処理ができていれば、税務上の問題は発生しません。
理解ができました。そのように計上します。
振込時に再計上しないようにも気をつけます。
深く感謝いたします。
本投稿は、2025年02月10日 16時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







