電気代、通信費(インターネット代)の按分計算について
昨日投稿した内容を一部変更して、再投稿させていただきます。
-------------
自宅兼事務所で仕事をしている者です(青色申告)
自宅のコンセントの数から計算するというご意見も見られますが、タコ足配線でいくつも分けていたりしてややこしいので、使用時間から算出できればと考えております。
お聞きしたいことは次の3点です。
①クリエイター業で平日休日問わず毎日パソコンで12時間仕事をしているのですが、その場合は【12時間÷24時間=事業割合50%】という単純な計算方法で合っていますでしょうか?
②その場合、万が一税務調査が入った場合、使用時間を合理的に証明するものとしてどんなものを用意すればいいのでしょうか。
(例えば、自分で勤怠表みたいなものを作って記録しておくというのもOKなのでしょうか?)
③事業割合50%というのは、一般的に税務調査の対象になりやすいものなのでしょうか?
事業割合の目安がよく分からないため、怪しまれるような数字であればコンセント数でも計算しようと思います。
いろいろと分からないことだらけで大変恐縮ですが、アドバイスいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答

佐藤和樹
1. 事業割合の計算方法について
① 使用時間で按分する計算方法は妥当
• 計算式: 12時間 ÷ 24時間 = 50%
• 家全体の電気代の50%を事業用として計上することは理論的には可能。
• ただし、深夜や休日も使っている場合、「一般家庭としての電気使用」と区別しにくい点があるため、税務調査で説明できるようにしておく必要がある。
注意点
• パソコン以外の電力(冷暖房、照明、家電など)も含めて考える必要がある
• 50%という割合は高めなので、税務調査では根拠を求められる可能性がある
• コンセント数・部屋の面積・設備使用率を併用して計算すると、より説得力が増す
2. 税務調査での証明方法
② 税務調査の際の合理的な証明手段
• 使用時間を証明できる記録を準備することが重要
• 以下のような方法で、客観的に業務時間を記録できると信頼性が増す
証明できる資料の例
1. 勤怠記録・作業ログ
• Excelやアプリで毎日の作業時間を記録する
• Googleカレンダーなどで業務時間を記録
• 「何時~何時にどんな作業をしたか」を簡単にメモしておく
2. PCの稼働ログ
• PCの起動・シャットダウン履歴を保存(WindowsのイベントビューアやMacのログ)
• 作業ソフトの利用履歴を保存(Adobe、Word、Excelなど)
• クラウドソフト(Google Docs、Slack、Trello)の使用履歴
3. 請求書や納品書
• 継続的に仕事をしている証拠として、納品書や請求書を保管
• 業務時間の証明として活用できる
4. SNSやブログの更新時間
• SNSやブログでの業務関連投稿の時間
• クライアントとのメール・チャット履歴
5. スマートメーター(電力使用記録)
• 電力会社が提供する詳細な使用記録を取得
• ピーク時間を示せば、業務用の使用が多いことを説明しやすい
「勤怠表を作成する」ことも有効
• Excelや手書きでもOK
• 業務開始時間・終了時間・作業内容を記録する
• 税務署に提出する義務はないが、調査時の説明に役立つ
3. 事業割合50%は税務調査で怪しまれるか?
③ 50%は高めだが、適切な証明があれば問題なし
• 電気代の事業割合は20%~40%程度が一般的
• 50%だと、税務調査で確認を求められる可能性がある
• 事前に客観的なデータを準備しておくことでリスクを低減できる
税務調査の対象になりやすいポイント
• 異常に高い按分率(70%以上など)は目をつけられやすい
• 根拠のない按分(「適当に30%くらい」など)は指摘されやすい
• 過去と比較して急に事業割合を大幅に変えた場合(前年30% → 今年50%)
対策
• コンセント数や部屋の面積など、他の基準も併用して計算すると安心
• 「電気代全体の50%ではなく、PCやエアコンなど仕事に関係する機器の使用電力の50%」と説明できると信頼性が高まる
• 仕事の電力使用が多いことを示すために、PCの稼働時間や作業ログを記録しておく
お忙しい中大変ご丁寧にご説明してくださりありがとうございます。
証明できる資料もたくさん例を挙げてくださり、大変勉強になります。
一点お聞きさせていただきたいのですが、税務調査の対象になりやすいポイントで、
>過去と比較して急に事業割合を大幅に変えた場合(前年30% → 今年50%)
と教えてくださった部分ですが、反対に過去と比較して大幅に事業割合が下がった場合も怪しまれるのでしょうか?
実は恥ずかしながら今まで家賃や水道光熱費などの事業割合をすべて60%超で申告しており、いろいろ調べているうちに60%は妥当ではなかったということが分かりました。
ですのですぐにでも修正申告をしようと思っているのですが、ご指摘いただいたように仮に30%として修正申告した場合、逆に大幅に事業割合を下げたことによって怪しまれないかがすごく心配です…
(他にもプライベート分が含まれたものも交際費として誤って経費計上しているものも見つかったので、その分も含めて修正申告する予定です)

佐藤和樹
事業割合を急に下げた場合も税務署からの指摘を受ける可能性はありますが、説明できれば問題ないです。
過去に60%以上で申告していた場合のリスク
• 急に30%などに下げると、税務署から「なぜ前年と違うのか」と指摘される可能性がある。
• ただし、「妥当な事業割合に見直した」という合理的な説明があれば問題なし。
説明のポイント
• 「今まで正しい計算方法を理解していなかったため、今年から適正な計算方法に修正した」
• 「税務に関する情報を調べて、適正な事業割合を再計算した結果、適用率を下げた」
• 「以前は感覚で按分していたが、業務時間や電力消費を基により正確に計算した」
注意
• 事業割合を急に変更すると、税務署が「過去の申告が誤っていたのでは?」と遡って調査する可能性がある(修正予定なら問題なし)。
佐藤先生
お返事いただきありがとうございます。
説明するときのポイントまで細かくアドバイスしてくださりありがとうございました。
間違いを見つけてからここ数日間、重加算税などが課されたらどうしよう…とずっと不安でしたが、調査される可能性があっても修正申告をすれば問題ないとお聞きできて、本当に安心しました。
ご教授いただいたアドバイスをもとに、確定申告と修正申告を進めていきたいと思います。
最後までご丁寧にお返事をくださり、本当にありがとうございました。

佐藤和樹
とんでもないです。
お役に立ててなによりです。
本投稿は、2025年02月27日 12時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。