フリマアプリで取引キャンセルになった場合の証憑は必要ですか
メルカリでクレジットカードで仕入れを行うことがあるのですが、たまに不良品などで取引キャンセルになることがあります。
購入日=仕入日として計上しておりクレジットカードにも決済と返金の記録は残ってしまう為、キャンセルとなった場合でも仕入時と返金時は記帳しなければならないと認識しております。
ただ問題がありまして、メルカリで取引キャンセルになった場合、「取引自体がなかったこと」となる為購入履歴が全て消えてしまいます。
その為クレカを確認すると、「メルカリで決済後同額が返金されている」ということは確認できるものの、「何を買ったか」を確認する術がありません…。
証憑となるものがない場合、どうすれば良いでしょうか?仕入れた商品を忘れてしまっている為、摘要や勘定科目もなんと記載すれば良いのか分かりません。
どのように記載すれば良いか、ご教示願えないでしょうか。よろしくお願い致します。
税理士の回答

佐藤和樹
1. 基本的な考え方
おっしゃる通り、取引キャンセルになった場合でも、
仕入れ時(決済時)→ 返金時 の両方を記帳してOKです。
理由は、クレカ明細に実際の決済・返金の動きが残るからです。
ただ「購入履歴が消えてしまった」ため、証憑が残らない問題ですね。
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2. 仕訳(会計処理)について
【通常の処理】
仕入時
借方:仕入 〇〇〇円 / 貸方:未払金 or クレジットカード 〇〇〇円
返金時
借方:未払金 or クレジットカード 〇〇〇円 / 貸方:仕入戻し or 仕入 〇〇〇円
キャンセルによる返金は 「仕入戻し」や「仕入取消し」 などの摘要を使って処理します。
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3. 「商品名が不明」の場合の実務的な対処法
【対応策】
1. 取引メモなど自分の記録を頼る
→ たとえば「●月●日 メルカリでアクセサリー仕入予定」など、何かしら自分のメモが残っていれば参考にする。
2. クレカ明細を証憑として代用する
→ メルカリの履歴が消えていても、クレジットカード明細書に「メルカリ決済+返金」記録があれば証憑とみなせます。
3. 摘要欄の記載例
• 仕入時:「メルカリ 仕入(品名不明)キャンセル後返金あり」
• 返金時:「メルカリ 仕入戻し(品名不明)」
※具体的に「何を買ったか」が不明な場合は 「仕入(品目不明)」 と記載しても実務上OKです。
4. 今後の予防策
• キャンセルになる前提も考えて、購入時の画面キャプチャを残す
• または メルカリの通知メール(購入完了メール) をPDFなどで保存しておくのもアリです。
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4. 税務的な考え方
税務署側も「返金がある」=「実際の仕入が取り消されている」と認識しますので、
返金の証跡さえ残っていれば、仕入品目が細かく記載されていなくても問題になるケースは稀です。
もちろん今後はなるべく「購入時点の画面保存」がベターですが、今回の件はクレカ明細+メモ書きレベルでも大丈夫です。
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5. 実際の摘要の書き方(例)
• 【仕入時】
摘要:メルカリ仕入(商品不明)キャンセル取引
• 【返金時】
摘要:メルカリ返金(仕入戻し)
などシンプルでOKです。
本投稿は、2025年03月14日 01時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。