知人に貸した金が踏み倒された場合、確定申告で損金のような扱いにして、損益通算は可能か
知人にお金を貸したのに、そのお金が踏み倒されて貸し倒れになった場合、確定申告で損金のような扱いにして、損益通算は可能でしょうか?
自分の例ではないのですが、知人がやられたようですので、質問してみました。
また、個人間で起きた場合と、事業をしている場合とで、違いが出てくるのでしょうか?
税理士の回答

増井誠剛
ご質問の件につきまして、以下の通りご回答申し上げます。
まず、個人が知人に対して行った金銭の貸付が返済されず、いわゆる貸倒れとなった場合であっても、その貸付が営利を目的としない私的な資金の貸付と見なされる限りは、原則として所得税法上の損失としては認められません。したがって、損益通算の対象とはならず、確定申告上の控除も認められないケースが一般的です。
一方で、個人事業主等が事業の一環として行った貸付けであり、その債権が事業所得に直接関連するものである場合には、所定の要件を満たすことで「貸倒損失」として事業所得の必要経費に算入することが可能となります。この場合、損益通算も可能となり、他の所得との合算による節税効果が期待できます。
なお、いずれの場合も、貸付の実態、返済不能の確実性、回収努力の有無、契約書や督促記録等の証拠資料の有無が重要な判断材料となります。税務署においても形式的な証拠が不足している場合は、損失の計上を否認されることがあるため、慎重な対応が求められます。
本投稿は、2025年04月20日 22時39分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。