非居住者の不動産所得確定申告について(申告要不要・申告場所)
非居住者(台湾居住)、2021年に住居売却・海外移転、2022年に最終居住地の世田谷区で確定申告。2022年~2024年度は確定申告対象無し。
2024年より厚生年金受給、2025年中盤から老齢年金受給予定。
2024年10月に京都で、2025年2月に名古屋で、それぞれ1Rマンション購入(投資用)。
2024年は年金・不動産賃料とも少ないため確定申告は無し。
2025年の確定申告についてご相談します。
【2025年年金収入】
厚生年金153万円見込み、老齢年金24万円見込み(4か月分) 計177万円
【2025年不動産所得】
A.京都: 賃料79万 管理費固定資産税等経費34万、差引き所得45万円
B.名古屋: 賃料60万 管理費固定資産税等経費92万、差引き所得-32万円
※購入初期費用(仲介手数料・司法書士費用等)約60万円込み
【質問】
①2025年度の不動産所得は合算すると45-32万=13万円なので、その場合は公的年金以外の所得が20万以下なので、申告は不要という理解は正しいか?
②名古屋分がマイナスではなくゼロとカウントされる場合、不動産所得は京都分の45万円という理解になるのか?(そうなると申告必要ですね?)
③申告が必要な場合、2022年の申告時には実姉(東京の別場所に在住)を納税管理人としたが、高齢のためこのような業務を頼みたくないため、自分が一時帰国の際に申告を行いたいと考えるが、その考え方は問題ないか?
(世田谷区には実姉を納税管理人として届出したが、京都・名古屋には届け出はしていない)
④自分で一時帰国時に申告する場合、申告すべき場所はどこになるか?
以前の世田谷区か? 京都or名古屋か?(所得的には京都が若干多い)
※もし2025年度は申告不要となったとしても、2026年度以降必要になるので
⑤非居住者の確定申告の場合、所得控除が限られると聞いたが、生命保険料控除(日本で生命保険と介護保険を継続中)は含むことはできないのか?
以上が質問となります。よろしくお願いいたします。
税理士の回答

①購入初期費用のうち、仲介手数料は建物・土地の取得価額(合理的な方法で按分)に含まれますので、経費から除外してください。また、建物の取得価額は減価償却計算を通じて減価償却費が計上できます。
②不動産所得内で損益通算できるので、マイナスは零にはなりません。
③相談者様が一時帰国時にご自身で確定申告書を提出されるのは問題ないですが、納税管理人は税務書類の作成・提出以外にも、税務署からの送付物を受け取ったり、還付金があれば受け取ったりしますので、実姉が納税管理人として不適当であれば、納税管理人の変更をされた方が良いと思います。
④非居住者については以下の順序で納税地が決まります。
1.日本国内に居所を有する場合:居所地
2.1.がなく、恒久的施設(事務所)を有する場合:恒久的施設の所在地
3.2.がなく、日本の最後の住所に親族が居住している場合:その最後の納税地
4.上記1.~3.以外で不動産所得がある場合:その不動産の所在地
5.上記1.~4.に該当していたが、該当しなくなった場合:最後の納税地
6.いずれにも該当しない場合:麹町税務署
よって、世田谷区に親族が引き続き住まれているのであれば世田谷区、そうでなければ、メインとなる不動産の所在地(京都)を管轄する所轄税務署になるかと存じます。
⑤非居住者が受けられる所得控除は、雑損控除・寄附金控除・基礎控除の3つに限られますので、非居住者の間は、生命保険料控除は受けることはできません。
◆ご参考
・賃貸用の土地建物を購入した際に支払った仲介手数料の取扱いについて
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/31.htm
・海外勤務中に不動産所得などがある場合
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1926.htm
早速のご回答ありがとうございました。
・不動産所得内で損益通算が出来ること
・仲介手数料は経費ではなく不動産価格に込みにして減価償却対象と出来ること
・従って2025年度は2件の不動産雑所得がプラスであるので、確定申告必要であろうこと
・確定申告はメインとなる不動産(京都)で行うべきであること
・確定申告以降の税務署からの必要連絡のため、実姉がダメなら他の人を納税管理人と設定しておくのが望ましいこと
・所得控除には生命保険料は含められないこと
私の聞きたかった内容が全て網羅されており、また、参考資料もご紹介いただき、大変助かりました。
ありがとうございました。
本投稿は、2025年06月18日 00時22分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。