外国人の確定申告
オーストラリア国籍の夫がおります。現地企業にリモートワークで働いており、給与も現地口座に支払いされています。現在は配偶者ビザで日本在住6年目です。今年確定申告を行いました。仕事の事情があって来月中に主人のみ転出届を出しオーストラリアに戻る事になりました。税務署からは、9月に転出しても来年は確定申告が必要と言われていますので代理人申請をして私が行う予定です。9月から1年以上海外にいる場合非居住者扱いになると思いますが、来年の9月までは居住者扱い(海外にいても)となると、再来年も日本で確定申告をする必要があるのでしょうか?
税理士の回答

9月から1年以上海外にいる場合非居住者扱いになると思いますが、来年の9月までは居住者扱い(海外にいても)となると、再来年も日本で確定申告をする必要があるのでしょうか?
⇒ 居住者が年の中途で非居住者になったときには、居住者期間の所得については精算が必要になります。
そのため、来年9月に非居住者になる場合、納税管理人の届出をしているのであれば、再来年の確定申告も必要になります。
国内払いの給与の場合は、国内の源泉徴収義務者において所得税の精算を行いますが、ご主人の場合は国外払いの給与となりますので確定申告により清算を行います。
確定申告の時期は
① 納税管理人の届出書の提出がない場合は非居住者になる直前
② 納税管理人の届出書がある場合は通常の確定申告時期
となります。
そこで、ご主人は「②」のケースに該当すると考えられますので、今年の分は、来年の確定申告時期に居住者として申告を行い、来年9月までの所得について、再来年の確定申告時期に申告を行います
なお、ご主人のオーストラリア帰国の事情によっては、出国の翌日から非居住者になる可能性があります。
その場合の確定申告は、
① 出国の前日までに確定申告をする
② 納税管理人を立てて確定申告時期に居住者のころの確定申告をする。
いずれかになりますが、納税管理人を立てるとのお話ですので「②」になると考えます。
蛇足ですが
日本国内の不動産を賃貸するなどの「不動産所得」等の「国内源泉所得」がある場合は非居住者になった以後も確定申告が必要になります。
「①」のケースは国内源泉所得(非居住者になってからの所得)を確定申告時期に申告を行う
「②」のケースでは、居住者期間の所得と国内源泉所得について確定申告時期に申告を行う
ことになります
国税庁HPから参考箇所を添付します
「居住者・非居住者の区分 別紙住所の推定」の
「2 国内に住所を有しない者と推定する場合」を参考にしてください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2875-1.htm
「海外勤務と所得税額の精算」
少しケースとしては違いますが、「確定申告をする必要のある方は、出国までに納税管理人の届出をしない場合は、出国までに確定申告」とあります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1920.htm
「海外勤務中に不動産所得がある場合」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1926.htm
お返事ありがとうございます。お返事いただいた中で出国の翌日から非居住者になる場合があるとの事ですが、納税管理人を立てずに出国前に確定申告をしてしまえば、その後は行う必要がないのでしょうか?日本で得ている収入は不動産等を含めありません。

納税管理人を立てずに出国前に確定申告をしてしまえば、その後は行う必要がないのでしょうか?日本で得ている収入は不動産等を含めありません。
⇒ 不動産所得などの「国内源泉所得」がなく、出国の翌日以降非居住者になる者が、出国前に確定申告(準確定申告)を完了しているときは、その後の確定申告は原則不要となります。
いつから非居住者になるかの判定に関しては、税務署の方に相談して判定していただいてはいかがでしょうか
※ 事前予約をされ、詳しい方との面接をされることをお勧めいたします。
なお、原則としたのは、出国後に居住者期間の勤務に対する給与や賞与の支給があった場合、当該給与や賞与は非居住者の「国内源泉所得の給与」に該当しますので、確定申告により納税が必要になります。
申告書の様式などは異なりますのでご注意ください。
(所得税法172条の申告と呼ばれています)https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/pdf/027.pdf
また、その例外として月の中途の出国のように「給与等の計算期間途中」で非居住者になった場合(計算期間が1カ月以内)は、日本での課税が免除される場合もあります。具体的には確定申告をされる際に税務署に確認されることをお勧めします。
国税庁HPから参考箇所を添付します
「源泉徴収のあらまし」から、給与の課税部分についての説明と考え方が、43枚目(p314)~記載されています。 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2024/pdf/12.pdf
「計算期間の中途で非居住者になった者に対する超過勤務手当」
少し事例が異なりますが
国内源泉所得の算出は原則、期間案分、例外として計算期間が1カ月以下の場合は、国内源泉所得にあたらないとしています。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/06/10.htm
ご丁寧に回答いただきまして、ありがとうございました。

ベストアンサーをありがとうございます。
税務署の方でも、非居住者関係は経験する者が少ないため、詳しい職員との面談をお勧めいたします。
もちろん、税務署で不明な点は国税局などにも確認をしますので、早めの相談をされることをお勧めいたします。
なお、通常母国への帰国は、帰国=日本に居所を有しないと考えますが、今回のご主人のケースでは、国籍はオーストラリアですが、家族が日本に居住しているため、一時期の帰国であるのか否かを判断しないといけません。
例えば、オーストラリアでの仕事が今まで「リモート」でよかったものが解除となり出社が必要になったなどが考えられます、この場合は辞令やメールなどによる「会社の指示」等が確認でき、客観的に「オーストラリアに居所(住所)を移転した」ことが判明した時は、出国の翌日から非居住者になりえますが、単に「予定」だけで帰国した場合は、出国して1年を超えた時点で非居住者と判断されます。
少しご質問と異なりますが、参考事例を国税庁HPから紹介します。考え方について、先に紹介た「住所の推定」と併せてご検討ください。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/01/02.htm
本投稿は、2025年08月26日 18時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。