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別居家族間での共同作業における確定申告について

【質問】
主に確認したいのは下記となります。

1,1つの口座を使用して家族(別居)共同で事業を行っている場合、家族の収益分が認められるのでしょうか?認められる場合、どのような記録があれば望ましいでしょうか?

2,生計を一つにする家族への外注費などは認められないと認識していますが、下記のような別居で生計を異にする家族への外注費は認められるのでしょうか?
また、その場合どのような記録があれば望ましく、また、今から作成した領収書などでも有効になるでしょうか?

その他注意すべき点、アドバンスなどがあればご教示いただけると幸いです。

【概況】
現在、せどりや古物市場での仕入販売を別居の弟や親と一緒に副業的に行っています。
販売に関して私の販売サイトを使用するメリットが大きいため、家族が仕入れた商品も多くを私のアカウントを通して販売し、売り上げが私名義の口座に振り込まれ、それを振り分けているような状態です。ざっくりですが、所得合計が250万とした場合、その内自分の取り分は150万程でその他は家族の取り分といったイメージです。
一方で、梱包や出荷といった業務を別居の家族数名に1件数百円という形で多く委託しており、合計で年間20万程は支払っています。単価も同様な内容を業者に依頼した場合と比較して大きな乖離はない水準です。

恥ずかしながら小規模のため、確定申告のことをあまり意識しておらず、今まで都度正確な記録を残したり、領収書を残すようなことをしていませんでした。家族への送金の大部分は銀行口座から送金していますが、直接顔を合わせた際に現金で支払ったものも多くあります。それらも、メールなどのやり取りで金額が残っていたりいなかったりといった形です。
現在、確定申告の準備中ですが、あまり曖昧にはせず家族全員正確な形で申告をしたいと考えています。ご教示いただけますと幸いです。

税理士の回答

ご質問者の場合、私の販売サイトを利用、私のアカウントを通じて販売、私名義の預金口座に入金といったことから判断しますと、事業主はご質問者自身ということになります。実態は、家族で共同事業という形態であっても、申告上は一人の事業主とする必要があり、利益の分配は、生計が別ですので、外注費の支払という形で行うのがベストかと思います。
そうすると、確定申告では、売上は預金通帳から把握した金額とし、仕入は自分で仕入れた分と家族が仕入れた分をまとめて計上します(家族が仕入れた分は、便宜上名前を借りたということにします。)。家族への支払は、外注費として計上します(銀行口座からの送金分とメールで判明している送金分を合計してとりあえずは計上しておきます。)。とりあえずは、今回の申告は、判明している分を基にして申告書に金額を記入しておくしかありません。
 一方、家族の方の確定申告(外注費の収入は雑所得となります。)については、「家内労働者等の事業所得の所得計算の特例」(委託を受けて、特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業とする人)を活用しますと、何も経費の証明がなくても55万円が必要経費として認められます。その結果、外注費の収入ー55万円で差し引きマイナスで所得がない場合や、所得があっても基礎控除(48万円)以下であれば、確定申告は不要となりますので、ほとんどの方は確定申告が不要になると思われます。ただし、給与収入がある場合は、金額によってはこの特例(丸々55万円控除)が使えなくなりますので、注意が必要です。給与収入があって、この特例が使えないとなると、家族の方も、一人一人、外注費の収入から必要経費を差し引いて所得の計算をして、申告が必要かどうか(給与収入のある方はこの分の所得が20万円以下かどうか)判断していくしかありません。
 今後に向けてですが、あなたと家族との間と取引について、簡単なもので良いので「業務委託契約書(作業依頼内容、単価いくら、支払い条件などを記載)」を作成し、取引や金銭のやりとりについては、きちんと請求書、領収書をメールでやり取りして残して、外注費の支払は振込で送金することが望ましいと思います。また、商品の仕入れや仕入れ代金の支払も、あなた1本にまとめておいた方が良いでしょう(でないと家族間での商品の仕入れや仕入代金の支払も帳票を残すことが必要になったり、あなたの仕入れ取引として認められなかったりして面倒です。)。

非常に丁寧かつ的確なご返答、誠にありがとうございます。
「家内労働者等の事業所得の所得計算の特例」は活用できそうですし、業務委託契約書は早速作成しようと思います。普段から正確な記録を怠らないことも大切だと改めて感じました。
いろいろと調べても解決できないことが多い中、安達先生のおかげで前進できそうです。お忙しいなか、誠にありがとうございました。

本投稿は、2022年01月15日 03時59分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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