中国の親から贈与を受ける
中国の親から贈与を受ける場合(受贈者は日本での永住権あり) 、①暦年贈与110万円までの非課税は適用されるのかという事と②贈与契約書は必要か
の2点知りたいです。よろしくお願いいたします。
税理士の回答

小川真文
受贈者が国内在住の場合は、全世界財産(国内財産及び国外財産すべて)に課税されます(国内に一時的に住む外国人が海外の家族から贈与を受けた場合には、課税の対象になりません)。この場合は国内法が適用されますので「①暦年贈与110万円までの非課税」となります。
また貸し借りではなく贈与であることを明示するために「②贈与契約書は必要」と考えます(送金方法及び日本円貨相当額等を記載することになります)。こちらも中国語と邦訳を併せて作成して、双方で保存いただくようにお勧めします。
小川先生
ご回答ありがとうございます。大変勉強になりました。
国内法が適用されるという事で 追加の質問をさせてください。同条件の関係性で相続を受ける場合、
①資産の分割等は中国内で行い申告、納税の上 資産を受け取る。
②受け取った資産を改めて日本で申告、納税する。
国を跨ぐ場合の知識として 申告手順の整理ができておりませんので、ご教示いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。

小川真文
ご相談について、『相続を受ける場合、①資産の分割等は中国内で行い申告、納税の上 資産を受け取る。②受け取った資産を改めて日本で申告、納税する。』の流れで手続き上の問題はないと考えます。
ただし、国内居住者が国外財産を相続した場合、国外財産についても国内財産と同様に相続税が課税されますが、国外においても相続税に相当する税(中国では相続税はありません)が課された場合には、二重課税を精算する相続税「外国税控除」という制度が設けられます。また、国外の財産について(中国であれば不動産等の使用権ほか)評価価額等が複雑になることも想定されます。国際分野も含めて相続に詳しい税理士等の専門家にご相談いただく事をお勧めします。
参考 日本と中国との間では、「所得に対する租税に関する二重課税の回避および脱税防止のための日本国政府と中華人民共和国政府との協定」が締結されている。
小川先生
ご丁寧なご助言ありがとうございます。
二重課税の回避など大変勉強になりました。
参考にさせていただきます。
本投稿は、2023年01月23日 20時30分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。