生前に売却した共有財産の売却代金についての相続財産の取り扱い
共有財産を売却し、代金を配分しましたが、その後相続が発生し、相続財産を考えるにあたり、不明な点がありますので教えてほしいです。
昨年9月に祖父が他界し、同年12月に父が他界しました。
2人が生前、一昨年10月に2人共有(父8:祖父2)の土地を売却し、父が一手に手続きを引き受け、売却代金から土地の取得費と譲渡費用を差し引いた金額のうち、祖父の持分2に対する金額(=祖父の確定申告書の譲渡所得の金額)を、祖父に振り込んでいます。
本来なら、売却代金ー譲渡費用を祖父の持分割合で振り込むべきではなかったのでしょうか?
今回祖父と父の相続が生じて、お金の流れを考えると、祖父へ振り込む金額は、取得費の部分まで差し引いて良かったのでしょうか?父から未収ではないのかと思っています。
その場合、祖父の相続財産は、父からの未収金を入れて計算するのか、または、父への贈与になってしまうのか、教えていただきたいです。
また、未収金が祖父の相続財産になるのであれば、父の相続の申告ではその分は未払金として控除できるのですか?
税理士の回答

ご理解の通りです。本来であれば、売却代金から譲渡費用を差し引いた金額を、持分割合で振込むべきです。
取得費の持分割合部分は未収・未払の状態ですので、それぞれ財産計上・債務控除が可能です。
贈与と言われる可能性もゼロではないですが、贈与であれば、あげます、もらいます、というお互いの合意のもと成立します。
お爺様としては、売却手続きをお父様に委任したに過ぎず、売却代金は受領する意思があったと推察されるので、贈与には該当しないと考えます。
ありがとうございました。大変よく分かりました。
重ねてお尋ねしたいのですが、
祖父のその取得費に相当する未収金は、父が相続することになるかと思います。
次に、父の相続税の申告のときに、その祖父から相続した未収金は今度は父の財産として載せないといけないかと思いますが、すでに父の預金残高の中に、その金額は残ったまま(未払いなので)になっています。
父の申告では「預金残高」と「(祖父から相続した)未収金」を別々に財産として載せて、未払金を債務控除すればいいのでしょうか?
祖父から相続した未収金と債務控除する未払金は相殺できるような気がするので、それならば、単に父の預金残高を相続財産とすればいいのでしょうか?
よろしくお願いいたします。

お父様が未収金をご相続される場合、未収金と未払金が相殺されますので、預金残高を相続財産とすればOKです。
なお、お爺様のご相続で相続税が発生する前提ですが、お父様がご相続される未収金その他の財産にかかった相続税は、お父様の相続税申告にて債務控除ができます。また、相次相続控除の適用もあります。
参考までに、今回は「数次相続」に該当するので、申告期限の延長(お父様の相続人が行うお爺様の相続税申告)や相次相続控除などの有利に働く規定もあります。また、お爺様のご相続の際に、お父様がどれだけ財産を相続するかによってお父様の相続税が変わってくるため、トータルの相続税が少なくなるようにシミュレーションをして遺産分割協議・申告を行うのが一般的です(もちろん、遺言書があったり、ご家庭の事情によってそうならないケースもありますが)。
とても的確でご丁寧なご回答に感謝いたします。
大変分かりやすいです。
相続人は父だけなのですが、色々お教えいただき、とても参考になりました。
ありがとうございました。
また分からないことが有りましたらご質問させていただきたいです。

参考になってよかったです!
ご相続人がお父様だけであれば、粛々と進めればよさそうですね。その過程で不明な点があれば、こちらでも、お電話でもお気軽にご相談下さい。
重ね重ね、ありがとうございます。
教えていただきたいことを本当にスッキリ明確にご指導いただき、感激しております。
温かいお言葉までいただきまして、ありがとうございます!
本投稿は、2020年05月20日 23時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。