4,500万円程度の資産で、「お尋ね」や「税務調査」が来る確率はどれくらいでしょうか?
個人事業主でもフリーランスでもない今年定年退職した元サラリーマンです。
保有資産は退職金をいただいたので4,500万円程度ですが、相続税基礎控除額4,800万円以下なので、相続税申告は不要です。
私は、現在も株やソーシャルレンディングの取引をしており、保有する口座が多く、口座間の資金移動をインターネットやATMで頻繁に(多い時は 月に数十回)行なっています。
株の利益は特定口座の源泉徴収、ソーシャルレンディングの利益は確定申告しています。
私が死亡した場合は、代表相続人の妻の口座に私の全資産が移され、妻から子2人に相続分の1/4づつを送金することになります。
1.上記の状況で私が死亡した場合、税務署から「お尋ね」が来る確率は、どれくらいでしょうか?
2.上記の状況で私が死亡した場合、税務署から「お尋ね」は来ないのに、税務調査が来る確率は、どれくらいでしょうか?
収入に比べ資産が少ない人は調査確率は高まる等、案件による調査確率の高低があることは容易に想像できますが、私の場合の収入と資産のバランスは、当然妥当だと思います。
はっきり断言する回答は困難だとは思いますが、回答者の知見や経験の中で、概ねでも結構ですので、回答を宜しくお願いいたします。
税理士の回答
国税出身で、資産課税事務36年(特別国税調査官18年)です。統括国税調査官として管理職もしておりました。
あなたの基礎控除額(3,000万円+600万円×相続人3人=4,800万円)は、ご存じのようですね。
財産については、不動産、現金預貯金、株式、生命保険等から債務控除及び葬式費用を控除し、課税価格がご照会のとおりの4,500万円であれば、私見ですが、
1,「お尋ね」のくる確率は、10%以下。ほぼ0%ですね。
2,調査の確率は、0%
※ なお、「相続税のお尋ね」が送付されたからと言って、何も怖がる必要はありません。相続税の申告自体を理解していない方もいらっしゃるので、税務署は送付しています。
また、「お尋ね」は、概ね亡くなって半年ぐらいで来るので、届いたならば、正確に回答すればいいだけです。申告が必要な方は、相続税の申告を行えばいいだけです。
補足ですが、株式等の取引については、【支払調書】が、税務署に提出されていますので、内容については、当然ながら税務署は把握しています。
それと、奥様についての職業がわかりませんが、専業主婦だった場合には、奥様の名義預金等も検討が必要となります。
具体的で ご丁寧なご回答をいただき、大変ありがとうございました。
1.株やソーシャルレンディングの利益は、源泉徴収や確定申告の納税により、その他の何かをする必要もないと考えていますが、それでよろしいでしょうか?
2.今後は、株やソーシャルレンディングの利益を含めた保有資産を管理し、相続税基礎控除額を超える恐れが生じれば、生命保険の非課税枠を活用する等の相続税対策を講じたいと考えていますが、妥当でしょうか?
3.妻はパート勤務の収入を妻名義の口座で保有しており、名義預金はありませんが、生活費は全て私の資産から捻出しております。このことで何か問題となることはありますか?
追加の質問で申し訳ございませんが、ご回答いただければ幸いです。
1 あなたのお考えで、何も問題ありません。
2生命保険の非課税枠(500万円×相続人)の活用もお考えで、よく調べられていると思います。その通りで問題ありません。もし、全体で基礎控除を超えてしまう場合には、死亡保険金の受取人を子供にして、ほかの財産は、妻が相続すると、配偶者の税額軽減で、全体として相続税を0円にすることも可能です。
3 生活費は、夫の資金で賄うのが、将来の相続税にもお得ですね。何の問題もありません。念のため、奥様のパート収入のわかるものも、いくつか保存されておくと、働いていた証拠にもなるので、よいかと思います。
最後に一言:毎月の夫からもらった生活費をやりくりして、貯めたへそくりは、夫の名義預金となりますので、注意が必要です。
西野先生、重ね重ねご丁寧な回答をいただき、大変ありがとうございました。
「みんなの税務相談」の過去相談を見ると、質問に対する回答になっていないと思われるような回答や、粗雑・専門用語満載で理解できない回答がたくさんある中で、私の質問主旨に対し、ストレートで、平易でわかりやすい、またご親切なコメントまでいただき、大変感謝しております。
「貯めたへそくりは、夫の名義預金」は、とても参考になりました。
度々申し訳ございません。
西野先生の2回目の回答の「全体で基礎控除を超えてしまう場合には、死亡保険金の受取人を子供にして、ほかの財産は、妻が相続すると、配偶者の税額軽減で、全体として相続税を0円にすることも可能です。」について、お教え下さい。
1.生命保険非課税枠を活用して、「「保有資産」引く「死亡保険金」」を基礎控除額以下にすることだけで、相続税は0円になるものと思っていましたが、間違っているでしょうか?
2.私の構想としては、私の次に妻が死亡した時の2次相続を踏まえ、死亡保険金の受取人を子供にして、ほかの財産は、妻死亡時に基礎控除額を超えないように、妻と子供に適宜配分したいと考えてましたが、間違っているでしょうか?
度々で誠に申し訳ございませんが、ご回答いただければ幸いです。
先ほどの回答の補足ですが、運用をなさっているとのことで、財産が増えて、保険の非課税枠を使っても、課税対象となってしまうケースを想定した回答でした。
1 よくご検討されている通りであり、問題ありません。
2 おっしゃる通り、今の主流は、二次相続を含めて、相続税が安くなるように検討します。よくお考えの様子ですし、問題ありません。
重ね重ねご丁寧な回答をいただき、大変ありがとうございました。大変感謝しております。
本投稿は、2022年09月01日 11時21分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。