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「相続税の還付」で払い過ぎた分を取り戻す!還付の対象となりやすい財産や申告方法とは?

相続発生時に課される「相続税」。実は、申告ミスなどで払いすぎている人も少なくありません。払いすぎた税金は所定の手続きを行うことで「還付」されます。特に土地や不動産といった相続財産については、還付の対象となる可能性が高いです。そこで相続税の還付を受けたい方に向けて、還付が起こる原因や対象となりやすい土地の例から、還付申告に強い税理士の特徴までを解説します。

目次

「相続税の還付」とは?

なんらかの理由で多く納めてしまった税金は、所定の手続きにより払い戻されます。これを「還付」といい、還付を受けるためには「更正の請求」という手続きが必要になります。

対して、税務の申告を行ったことがある人であれば「修正申告」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは税額を実際よりも少なく申告してしまった場合に行う手続きのことをいいます。

相続税の申告においては、相続財産に土地があった場合、更正の請求を行うことで還付される可能性が高いと言われています。

相続税の還付が起こる原因は?

そもそも、相続税の申告・納税をきちんと行なったはずであっても、なぜ還付という状況が生じるのでしょうか。

相続税は相続する財産に対して一定の税金が課されますが、課税対象となる財産は預金に限らず、土地や建物などの不動産も含まれることがあります。

預金については、口座残高などで課税対象となる財産がいくらなのかは明確に判断できますが、不動産の場合は「相続税評価額」を一定の基準のもと算出して申告しなければなりません。

この評価額は不動産購入時の金額とは異なり、なかでも「土地」の評価方法は、面積や立地など複雑な要素が絡むことで評価額にブレが生じやすく、相続税の還付が生じる大きな原因のひとつとなるのです。

ここで知っておかなくてはならないのは、「相続税の納めすぎを税務署は教えてくれない」ということです。

確かに、日本では納税者が自ら計算をして申告することで税額を確定させる「申告納税制度」を採用しているため、申告のミスや不正が想定されます。税額を過少に申告した疑いがある場合には、税務調査によって修正申告を求めることになっていますが、一方、納め過ぎている場合については、税務署からの調査や指摘は原則としてありません。

よって、相続税の還付を受けるためには自ら「更正の請求」をしなければならないのです。

相続税の申告は税理士に依頼したから大丈夫?

相続税の申告を税理士に依頼していても、還付が生じる可能性はゼロではありません。

医師や教師に専門分野があるように、税理士にもそれぞれ得意分野というものがあります。特に相続税については、地域によって申告件数に差があるため、得意不得意が出やすいと言われています。

相続税の申告に不慣れな税理士に依頼すると、減額対象となる要素や、相次相続(以前の相続から10年以内に再度発生する相続)による控除を見落としてしまうこともあり、つまり、納税者が相続税を納めすぎることになってしまうのです。

還付金額はいくらくらい?

国税庁が発表した平成28年度のデータによると、「更正の請求」によって相続税の還付を受けた納税者は574人、還付金の合計金額は13億4200万円ということから、1人あたりに換算するとおよそ2340万円という金額になります。

加えて、還付される際には利息となる還付加算金も支払われることもあります。

過去の高額還付事例として、消費者金融武富士の創業者の死亡による相続において、相続人が生前贈与を受けた海外資産に約1330億円が課税された例があります。

相続人は不当性を訴え、還付を求めた結果勝訴となり、すでに納税した1600億円(加算税含む)に対し、還付加算金400億円が加わり、総額で2000億円が還付されることとなったのです。

このように、相続税はもともと高額であることが多いため、還付の際は還付加算金もプラスされることでかなり高額の還付金が戻るケースもあります。

物納、延納の場合はどうなる?

高額になりやすい相続税においては現金一括での納付が原則とされていますが、一定の条件を満たしていれば、土地などの現物を納税にあてる「物納」や、分割で納める「延納」という方法で納税することもできます。

「物納」や「延納」により相続税を納付している場合、「更正の請求」について次のように決められています。

  • 物納
    物納の許可が出て、収納決定した後であれば、金銭一括納付と同じように更正の請求ができます。
  • 延納
    延納が認められた後でも、更正の請求は可能です。ただし、還付金については、延納の残金に充当(未払い分と相殺)されることになります。

このように、物納や延納で相続税を納税している場合でも、問題なく更正の請求によって相続税の還付を受けることができるのです。

準確定申告とは

準確定申告とは、「1月1日から亡くなった日まで」の所得や税金について、亡くなった納税者本人に代わり、相続人が「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」に手続きする確定申告です。亡くなった方が源泉徴収されている場合や、予定納税をしている場合などには準確定申告をすることでも還付金が発生します。

準確定申告による還付金は「相続財産」に該当するため、相続税の課税対象です。ただし、戻ってきた還付金のうち、還付加算金については「雑所得」となり、確定申告の際に申告が必要なので覚えておきましょう。

相続税の還付が起きやすい土地の例

では、相続税申告において、特に還付が発生しやすい減額要素のある土地の例について解説します。該当する土地を相続している場合は改めて税理士への相談を検討してみましょう。

地積規模の大きな宅地

「地積規模の大きな宅地」とは、その地域における標準的な宅地の広さに比べて、著しく広い土地のことをいいます。かつては「広大地」と言われていましたが、2018年より制度が見直されました。

余りにも広すぎる土地は、実際に売却しようとしても、路線価などで算出した一般的な金額では売却できず、大幅に安くなってしまうことが多いです。そこで「地積規模の大きな宅地の評価」という制度を適用することで、規模価格差補正率という減額補正が加わり、相続税評価額を大幅に減額して評価することが可能です。

このような土地は適用可否の判定が非常に難しいといわれています。そのため、相続税申告の経験が少ない税理士が、あとで税務署から適用を否認されることを恐れて、通常の土地と同じように申告しているケースがあります。

なお、2018年1月以前に発生した相続については「広大地評価」が適用されます。

線路沿いに位置する土地

線路沿いの土地については、電車の通過による騒音や振動が予想されます。

賃貸物件でも線路沿いの物件は家賃が下がったりすることがありますが、相続税評価額についても、一定以上の騒音がある場合については減額要素となります。

騒音のレベル(デシベル)、電車が通過する頻度、踏切までの距離を考慮して、減額に足りる要素であると判断されれば、還付金が発生する可能性があります。ただし、近隣の路線価よりも低くい土地については、路線価に対してすでに騒音による減額が盛り込まれている場合もあります。

無道路地

「無道路地」とは、四方をほかの土地などに囲まれていて、道路に面していない土地をいいます。建物の新築や取り壊しが困難になると予想されるため、相続税評価額の減額要素となります。

無道路地の評価額算出方法

  1. 無道路地から道路に接道するように、通路を設けると仮定して考えます。
  2. 無道路地と道路に接道している隣接地を、一体の土地として評価額を算出します。(奥行価格補正をする)
  3. 算出した評価額から、隣接地の評価額を差し引きます。
  4. 不整形地補正や、間口狭小補正をします。
  5. 通路の評価額分を差し引きます。

傾斜地

傾斜がかかっている土地を「傾斜地(がけ地)」といいます。傾斜地は土地の面積のうち、斜面になっている部分の面積の割合と、がけ地のある方位によって、減額できる価額が変わってきます。

がけ地の占める割合が多ければ多いほど補正率は低くなり、また、方位については、南、東、西、北の順に徐々に補正率が低くなるため、斜面が北側を向いている場合が、最も評価額を減額できます。

高圧線が上を通る土地

相続した土地の直上に高圧線が通っている場合、建物が建てられなかったり、構造や高さ、用途などで制限を受けることになるため、評価額の減額要素となります。

減額になる割合は、次の通りです。

  • 建物の建築ができない場合:50%または借地権割合のうち、いずれか高い方
  • 建物の建築に制限がかかる場合:30%

土地の直上に高圧線が通っている場合は、電気事業者との間で「土地空間利用契約」または、「地役権設定契約」を締結しているはずなので、それらの契約書が権利証と一緒に保管されていないかどうか、確認しておきましょう。

不整形地

区画整理されているような土地であれば、建物を建築しやすいですが、三角形やL字型などのいびつな形をしている土地については、建物を建築する際に、有効活用できない無駄な面積が多くなってしまいます。こういった土地をまとめて「不整形地」といい、不整形の状況に応じて評価額の減額が可能です。

評価額の算出には、地積区分表で該当する地積区分を確認し、不整形地補正率表でその地積区分に応じた部分の不整形地補正率を用います。

忌み地

墓地が隣接している土地のことを「忌み地」といい、通常の土地に比べ環境面で心理的に影響があるため、評価額の減額要素となります。ただし近隣に墓地があるというだけでは、著しく影響があるとはいえないため減額は難しいです。

影響を受ける部分の土地に対しては評価額の10%が減額となります。

庭内神祠のある土地

庭内神祠とは、土地内にある鳥居、祠、社など日常礼拝の対象となっているものをいいます。

以前は庭内神祠自体は非課税とされ、土地に関しては課税対象でしたが、取り扱いが変更され、敷地についても非課税対象となりました。

もし相続した土地にこれらが祀ってある場合、土地に対しても課税して申告している可能性がありますので、再度確認した方がよいでしょう。

登記簿情報より実際の土地面積が小さい土地

登記簿情報より実際の土地面積が小さい土地

土地の相続税評価額を算出する際には、わざわざ測量を行う必要がないため、登記簿上の地積を面積として考えるのが一般的です。ところが、登記簿上の地積と、実際の面積が必ずしも同じとは限りません。

たとえば代々受け継いでいるような、明治以前に登記登録が行われた土地の場合には当時の測量技術不足もあり、登記簿上の地積よりも土地面積が小さくなっている可能性があります。

これを見落としたまま、登記簿上の地積のみで計算して申告している場合は、改めて測量をすることで、実際の面積との差額分だけ評価額を減額することができます。

相続税の還付に必要な「更正の請求」の流れと手順

では、還付を受けるのに必要な「更正の請求」の手続きを確認しましょう。

相続税を払い過ぎている?と疑問に思ったら

ここまでで挙げた以外にも土地の評価方法はたくさんあり、計算方法もそれぞれで異なります。そこで、相続税の還付を検討する場合にはまず「相続税申告を得意とする税理士」に相談することがベストです。最近では「セカンドオピニオン」を謳う相続税の還付専門の税理士事務所があるくらいですので、申告時に依頼した税理士とは違う税理士でも大丈夫です。

また、相続した土地の現地を見たことがないという場合は、一度現地を確認してみてもよいでしょう。登記簿の情報には詳しい地形や環境が反映されないため、実際に目で見て調査することがとても重要なのです。

更正の請求の手続き

還付に必要な「更正の請求」は、税理士に依頼をすると手続きの大半を代わりに行ってもらえます。

ただし、その際に必要な「相続税の更正の請求書」には更正内容を証明するための書類を添付しなければならず、相続人自身でも添付書類の準備をする必要があります。土地の評価額の減額によって更正の請求を行う場合には、測量結果や地積測量図、公図、鑑定書、現地の様子がわかる画像などを準備しておくとよいでしょう。

なお、更正の請求は、還付の対象となる相続人がそれぞれ行う必要があります。

申告期限はいつまで?

「更正の請求」で還付を受けられる可能性がある場合、相続税申告期限から5年以内に手続きをしなくてはなりません。

相続税の申告期限は、被相続人が亡くなって相続が発生してから10か月後が期限ですので、過去5年10か月の間に相続が発生している方は、相続税の還付が受けられる可能性があるということになります。

さらに次のような「特別な事情」があるときは、5年10か月を越えても「更正の請求」が可能です。

  • 分割が終わっていなかった相続財産について、相続税申告後に分割が完了した
  • 子供の認知や相続放棄の取り消しなど、相続人に変更があった
  • 遺留分(一部の相続人に認められている保護された相続分)の返還があった
  • 遺産分割が完了して、特例の適用が可能になった
  • 遺贈する旨の遺言書が見つかったり、遺贈の放棄があった

ただし、特別な事情があった場合でも、その事由が発生したことを知った日の翌日から4か月以内が請求の期限となりますので注意が必要です。また、請求期限内であれば、一度還付を受けている場合でも、再度「更正の請求」で還付手続きを行うことがきます。

還付金の受け取り方法と時期

更正の請求後、還付されるまでには通常3〜6か月程度を要し、この間に税務署と税理士との間で確認や質疑などのやりとりがあり、そして問題なく申告内容が認められれば更正の決定となります。

決定後、更正決定通知書が相続人に郵送され、その1か月後くらいを目処に還付金を受け取ることができます。還付金は各相続人の銀行口座への振り込み、もしくは、ゆうちょ銀行又は郵便局の窓口を指定できます。

繰り返しになりますが、還付加算金については「雑所得」となり、確定申告の際に申告が必要となりますのでご注意ください。

おわりに

「土地」を相続している場合、税理士の力量によって評価額に差が生じやすいため、別の税理士にセカンドオピニオンを依頼すれば、還付金があることがわかるかもしれません。少しでも心当たりがある方は、相続税に強い税理士に相談してみることをおすすめします。

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