役員社宅 本人負担額の変更で必要な手続きについて
役員社宅の本人負担額を変更しますが、計算根拠以外に作成して保存する資料などありますでしょうか。(例えば株主総会議事録など?)
前期から賃貸していますが家主が購入してから間がないからか、固定資産の評価明細が入手できないといわれ、入手できるようになるまでは家賃の半額を代表者から徴収しておりました。ようやく家主から課税証明の写しを入手できたため、小規模住宅の賃料相当額を計算し、本人負担額を9万円から5万円に変更することにしました。
計算結果は調査時の資料として残しますが、同じ部屋なのに、負担額を変更する場合、それ以外に作成する資料は必要でしょうか。
必要でしたら、何が必要か、記載すべき内容をご教示ください。
尚、株主は、賃貸物件に住む代表者のみです。
税理士の回答

上田誠
役員社宅の本人負担額を変更する場合、税務調査を意識すると「計算根拠をきちんと残す」ことが最重要です。そのうえで、形式的に押さえておくと安心な書類があります。
1. 必須で残すべきもの
• 賃料相当額の計算書
(小規模住宅の計算方式に基づき、固定資産税評価額・課税証明の写しなどを添付)
• 賃貸借契約書(家主との契約書の写し)
• 本人負担額の徴収記録(給与天引きや預金口座振替の控えなど)
→ ここまでは必須です。
2. 実務上作成しておくと安心な社内文書
• 役員社宅規程または取扱要領
「役員が社宅を利用する場合の負担額は○○方式で算定する」と明文化しておく。
• 取締役会議事録や株主総会議事録(又は決定書)
• 複数株主がいる会社では「役員社宅の本人負担額を9万円→5万円に変更する」旨を決議。
• 株主が代表者1人であっても、社内決定の形式を残しておくと調査時に説明がスムーズ。
※株主が代表者本人だけの場合、実務上「株主総会議事録」ではなく
「代表者決定書」や「取締役決定書」の形で残すケースが多いです。
3. 記載すべき内容の例
• 社宅の所在地
• 契約開始日・家主との契約内容(賃料・契約期間)
• 社宅の使用者(役員氏名)
• 負担額の変更理由(課税証明が入手でき、固定資産評価額に基づく正規計算が可能となったため)
• 新しい本人負担額(5万円/月)と適用開始日
• 決定権者(株主総会、取締役会、又は代表者決定)
上田様
この度はご教示いただきありがとうございます。弊社は雇われ役員もいますが、取締役会というものは設定してないように思います。このような会社の場合はどの書類を作成するべきでしょうか。
これまでは役員報酬などは株主総会議事録を作っております。
お手数ですが,追加でアドバイスをいただけますでしょうか。

上田誠
この場合は、
• 「株主総会議事録」で役員社宅負担額の変更を決めた形にして残す
• もしくは「代表取締役の決裁書」でも形式上は足りる
という扱いで問題ありません。
ご教示いただき誠にありがとうございます。
形式が慣れているので株主総会議事録を用意いたします。
先生のお陰で安心して万が一調査の対策できました。
本投稿は、2025年09月28日 17時19分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。