税務調査でUSBメモリによるデータ持ち帰りは違法ではありませんか?
個人事業主です。先日はじめての税務調査がありました。
税理士さんの立合いはなく、私一人で調査員一人に対応しました。
あまり事業の規模も大きくないので、調査自体は大きな指摘事項もなく1日で終わったのですが、
調査員は紙の通帳数冊とクレジットカードの明細、
そしてパソコンからダウンロードしたネットバンクの取引履歴データや、会計ソフトの仕訳データを、
USBメモリにダウンロードして持って帰りました。
この中には事業に使用していない生活用の通帳やデータも含まれています。
紙の通帳やクレジットカードの明細に関しては、留置きの「預り証」というのをもらいましたが、
USBメモリのデータについては預り証に何も書かれていません。
このUSBメモリによるデータ持ち帰りは、違法ではありませんか?
承諾があれば何でもOKなのでしょうか?
データであっても個人の私物であることは間違いないのに、なぜ預り証には何も書かれていないのでしょうか?
それと、調査員は紙ではなくやたらデータのほうを好んで持ち帰ろうとしたのが気になります。
自分らの都合のいいように、データを改ざんしようとするのではないかと危惧しています。
こちらにも元データがあるので、データを照合すれば改ざんしているかどうかはわかるのですが…
それと調査員は調査終了後にデータをちゃんと消すと言っていましたが、信用できません。
もちろん、当方は数字をごまかす等の不正行為は全くしておりませんし、考えたこともありません。
以上、よろしくお願いいたします。
税理士の回答
税務調査において調査官が「パソコンのデータを見たい」というケースは実際によくありますが、これに関しては断ることができます。
そもそも、税務調査の対象となる「帳簿書類等」は「書類」(紙)を指すのであり、パソコンデータを指していません。質問検査権の行使対象は「帳簿書類」となっておりますので、税務調査でデータそのものを見せる必要はありません。
これに関しては国税庁が下記のようなQ&Aを公開していますので、こちらの「問5」をご参照ください。
「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」
http://www.nta.go.jp/about/organization/osaka/chotatsu/buppin/04/nyusatsu/280118ippan02.htm
こちらにも記載されている通り、提出については、「電磁的記録を調査担当者が確認し得る状態でプリントアウトしたものをお渡しいただくこととなります。」となっています。
また、「電磁的記録そのものを提出いただく必要がある場合には、調査担当者が持参した電磁的記録媒体への記録の保存(コピー)をお願いする場合もありますので、ご協力をお願いします。」となっており、あくまでも「お願い」「ご協力」となっています。
ご相談者様が調査現場において拒否したものを強引に持ち帰ったとなると違法性があるともいえますが、その場で拒否せず、「お願い」に応じたと解釈されますと、違法性は問えないかもしれません。
しかし、個人のデータまでもがコピーされているとすれば、それは調査対象外のものを持ち帰っていることになりますので、直ちに返却(消去)して頂く必要があると思います。
この辺りは調査官の上司に事実関係を話して、個人的データは速やかに返却(消去)して頂くことが宜しいと考えます。
宜しくお願いします。
税理士法人レガート 服部様
お忙しいところ、お答えいただきましてありがとうございます。
パソコンのデータを見せることを拒否できるというのは知りませんでした。
調査員は当たり前のようにUSBメモリへのコピーを要求してきましたので、
当然の権限であるかと思っていました。
「お願い」に応じたのではなく、あくまでも「指示」に従ったという感じです。
事業に使用しているデータならわかるのですが、
事業に使用していない銀行の取引データなどは、完全に個人の私物です。
預り証に、データを持ち帰ったという記載がないのも意味がわかりません。
故意に預り証への記載を避けたとしか思えません。
私一人で税務署に対応するのは不安ですが、返却(削除)を要求する方向で動いていきたいと思います。
削除に応じたとしても、削除したという証拠は何も残らないので、
嘘をついてコピーを残すのだと思いますが…
ありがとうございました。
本投稿は、2015年04月01日 17時52分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。