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海外法人への宿泊および渡航費の支払いについて

海外から日本へ講師を依頼した際、宿泊費および渡航費を講師が支払いました。
後日、講師が所属する海外法人から宿泊費と渡航費の請求がありました。
この際、宿泊費および航空賃は共に源泉税20.42%の対象でしょうか?

税理士の回答

はじめまして。
国内の所得税法の扱いでは対象になるかと思いますが、日本と支払先の外国法人の居住地国との間の租税条約によっては、支払先が日本に恒久的施設(支店等)を有しない外国法人である場合には免税となります。
まず、国内の所得税法上の扱いについてご説明させて頂きます。
講師の方の役務提供(講義等)が国内で行われた場合、外国法人に対して、国内で行われた人的役務提供事業の対価の支払いに該当するかと思います(所得税法161条1項6号)。また、ここでいう人的役務提供事業の対価には、その役務を提供するために要する往復の旅費や国内の滞在費等も含まれることとされていますので(所得税基本通達161-19)、20.42%の源泉徴収の対象となります。
ただし、支払先の外国法人の居住地国との間で租税条約が締結されており、その租税条約で日本の所得税法とは異なる定めがある場合、租税条約が優先して適用されることとなります。多くの租税条約では人的役務提供事業の対価を「企業の利得」と捉えており、そのような条約の場合は、日本国内の恒久的施設(支店等)を通じて事業を行わない限り、原則として日本の租税は免除されることとなります(免除を受けようとする場合には「租税条約に関する届出書」を支払者の所轄税務署に提出する必要があります。)。また、講師の方が芸能人や運動家である場合には異なる扱いとなる租税条約もありますのでご注意ください。
以下のリンク、国税庁の刊行物「源泉徴収のあらまし」の297頁以下に詳しく説明されていますのでご参照ください。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2022/pdf/12.pdf
また、租税条約に関する届出の説明は以下のリンクになりますのでご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/1648_44.htm

高橋様
ご教示いただきありがとうございます。
先方はインドネシアの方で芸能人や運動家ではございません。
租税条約の話もなかったので20.42%の源泉税をのせようと思います。
追記で申し訳ないのですが、日本での宿泊費(先方が日本円で支払い)は課税、渡航費は非課税の処理でよろしいのでしょうか?
弊社からは現地通貨払いしております。
なお、宿泊費については当日のレート換算において現地通貨に変換しお支払いしております。

承知いたしました。
国内の所得税法どおり処理する前提ですと、わかりやすくいうと国内で行った役務に関する人材派遣料は源泉徴収の対象となり、国内での役務提供のために必要な往復の旅費、国内滞在費等も原則として源泉徴収が必要な人材派遣料に含まれるということです。
ですので人的役務提供者(ご質問でいう海外法人)に対して支払うのであれば日本での宿泊費、渡航費ともに源泉徴収の対象になるかと思います。
ただし、対価の支払者(御社)から航空会社、ホテル等に直接支払われ、その金額が通常必要であると認められる場合には源泉徴収の対象とはなりません。
以下が該当の通達になりますのでご参照ください。https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/22/02.htm

高橋様
大変分かり易いご説明ありがとうございました。

本投稿は、2023年07月01日 00時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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