[源泉徴収]海外非居住者の支払い義務
非居住者の案件に詳しい税理士様に相談です。
現在海外のパートナーと結婚し、2年以上海外に在住しています。今まで海外交渉で主にキャリアを築いており、フリーランサーとしてこれから日本の中小企業の海外交渉の代行・コンサルタントとして、独立したいと考えております。
翻訳・書類作成などのスポット的な受注の仕方と、中長期的な取引実現、代理店契約・M&Aの締結を目的とした月額制でコンサルサービスの2種類のサービス提供を考えており、すでにクライアントになりたいという企業様、個人事業主様から連絡をいただいております。
支払いはPaypal、私の日本の銀行口座、また海外の銀行口座へ送金していただく予定です。
しかしながら、私は非居住者に当該します(1年以上日本を離れており、1年の半分以上は海外に在住。住民票も日本にはありません)。
Paypal、私の日本の銀行口座、また海外の銀行口座へクライアントからコンサル料を受領した場合、
1、私は日本での納税義務は発生しますでしょうか?
2、クライアントの源泉税は何パーセントになりますでしょうか?
クライアントへの説明義務、後々のトラブルを避けるためにも必ず知っておかなければならない事項なので、どなた様からご教示いただけますと大変助かります。
何卒、よろしくお願いいたします。
税理士の回答

岡本好生
1、私は日本での納税義務は発生しますでしょうか?
非居住者については、日本国内で稼得した「国内源泉所得」のみが課税対象とされます。
つまり「国内源泉所得」に該当するかどうかで取り扱いが変わってきます。ご質問者の業務がすべて海外から行われる場合には該当しませんが、業務の一部または全部が日本国内で行われる場合には課税対象になります。
従いまして、ご請求やご契約の際には「国内源泉所得」あたるかどうかを検討の上、両者を区分しておくと税務申告がしやすくなります。
参考:国税庁タックスアンサー No.2878 国内源泉所得の範囲(平成29年分以降)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2878.htm
2、クライアントの源泉税は何パーセントになりますでしょうか?
人的役務の提供事業の対価として20.42%の税率になります。
ただし、日本とその非居住者等の居住地国との間で租税条約が結ばれている場合には、その租税条約に定めるところにより、前記の税率が免除され、又は軽減されます。この場合には、「租税条約に関する届出書」を提出します。
参考:国税庁
租税条約に関する届出(人的役務提供事業の対価に対する所得税及び復興特別所得税の免除)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/1648_44.htm
岡本先生
ご回答ありがとうございます。
具体的に書いていただいたので、分かりやすかったです。
>人的役務の提供事業の対価として20.42%の税率になります。
ただし、日本とその非居住者等の居住地国との間で租税条約が結ばれている場合には、その租税条約に定めるところにより、前記の税率が免除され、又は軽減されます。この場合には、「租税条約に関する届出書」を提出します。
の部分ですが、要約すると
クライアント(支払者)の源泉徴収の軽減には、非居住者の受け取り者が「租税条約に関する届出書」を支払いが発生するごとに、必要事項を記入→クライアントへ渡すことが必要になるということでしょうか?

岡本好生
クライアント(支払者)の源泉徴収の軽減には、非居住者の受け取り者が「租税条約に関する届出書」を支払いが発生するごとに、必要事項を記入→クライアントへ渡すことが必要になるということでしょうか?
煩雑ですがそういう手続きになっています。ただ、支払内容の部分を除き記載内容は同じですので、支払内容の部分を支払者が記載してくれれば、まとめて提出しておけば大丈夫です。
本投稿は、2018年10月08日 03時39分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。