事業者の源泉徴収票の発行について
ある事業者(著名な会社)と不動産の取引(土地を事業者に売りました)をして土地代の支払いを昨年、受けました。
土地の所有権移転登記が済んでいないため、残金は今年に受け取り予定です。
昨年に支払われた土地代金は、一部を源泉徴収されています。
確定申告の時期が近づいたので、源泉徴収票がほしいので、事業者に問い合わせたところ、一定金額以下の場合は、社内規定で源泉徴収票を発行しない決まりになっていると担当者が言って、源泉徴収票を発行してくれません。
その社内規定は、非公開となっているため、一般には公開されていないばかりか、担当者に見せてほしいと言っても、非公開情報という理由で見せてくれません。
以上の事例で事業者は、源泉徴収票を社内の都合で発行しないということが可能なのでしょうか。それは、所得税法などで発行しなくても良い基準のようなものがあるのでしょうか。源泉徴収票の発行が税法上、不可能なケースがあるのか、ないのか、この場合の対応などをご教示ください。
税理士の回答

事実関係を確認したいのですが、土地の売却代金に源泉徴収されたということは、相談者様は非居住者ということでしょうか。
おそらく支払調書の話をされていると思いますので、事実関係を確認させてください。
おっしゃるとおりです。非居住者のため源泉徴収されました。

該当の書類は、「非居住者等に支払われる不動産の譲受けの対価の支払調書」に該当しますが、譲渡対価の額が100万円以下の場合、税務署への提出義務が免除されています(所得税法施行規則90条③一号)。
相談者様の事例は、譲渡対価が100万円以下だったということでしょうか。
また、支払調書は、給与所得等の源泉徴収票と異なり、受給者への交付義務はなく(義務があるのは税務署への提出のみ)、納税者も、支払調書を確定申告書に添付する必要はありません。
上記の事情で支払調書をもらえない場合、代替の手段として、源泉税の納付書をもらえないか交渉してみては如何でしょうか。
なお、私も現在、非居住者のクライアントの譲渡所得の申告書を作成していますが、譲渡契約書に源泉税の記載があるので、その金額に記載されている源泉税の金額で申告書を作成しています。
詳しい解説をしていただき誠にありがとうございました。
結論としては、給与所得者等の源泉徴収票は発行されないということでしょうか。支払調書の発行や確定申告の必要書類についてではなく、源泉徴収票の発行だけに絞って確認したいです。
今回の場合、事業者がなぜか源泉著集票を出さないというので、それが売買金額(100万円未満)だから法律上、発行する必要がないものなのか、事業者が面倒くさいから発行しない取り扱いができるのか、その点が知りたいです。

給与所得等の源泉徴収票は、給与所得受給者に交付されるもので、土地の譲渡代金の支払については作成も、また、交付もされません。土地の譲渡代金の非居住者への支払につき税務署へ提出義務があるのは、先に記載しました「非居住者等に支払われる不動産の譲受けの対価の支払調書」になり、これについては先ほど記載した通りです。
このたびは、再質問などにも丁寧にお答えいただき誠にありがとうございました。
質問者の疑問点のすべてに解説をしていただき、不明な点が解消しました。
とても信頼できる先生だなと感じました。
ご回答いただき大変ありがとうございました。
本投稿は、2020年02月08日 18時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。