計測器のデジタル化に伴う資産計上について
寝具販売会社の者です。
研究段階のボディライン計測用iPad Pro(1台あたり100,000円超え)は固定資産になりますでしょうか?
お客様の身体の角度を計測して適切な高さの寝具を販売しています。
計測は、20年以上昔に外注で製作した専用のスケールを使用していますが、劣化が激しく、デジタル計測に移行していくする必要が生じて参りました。
iPad Proだけでも一台110,000円程度します。これに、さまざまなアプリを組み合わせて、正確な計測が出来るか検証した後、実用化の予定です。
現時点でiPad Proを購入した場合、どう会計処理すれば良いでしょうか。
固定資産処理に詳しい者がおらず、藁にもすがる思いでお尋ねさせて頂きます。
どうぞ宜しくお願い致します。
税理士の回答
開発研究を行うための固定資産の取得しても、原則法定耐用年数に応じて減価償却を行います。試験研究用の資産は別途(比較的短く)耐用年数が定められています。ただし金額が少額な場合は、(研究用を対象外とする規定はありませんので)通常の固定資産の取得と同様に特例が設けられています。
貴社が下記の「中小企業者等」に該当するならば、一定の手続きにより(固定資産に計上することなく)全額を一時の損金(費用)に計上することができます。
中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(国税庁HPより引用)
中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から令和6年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。
ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。
ですから、「Pad Pro」は基本単体使用ですので複数台がセットでの事業供用とみなされまることはないと思われますが、30台近く購入する場合は上限にご注意ください。
なお特例の適用を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表16(7))を添付して申告することが必要です。
さらに法人税法上の一括償却資産の損金算入の制度があり、取得価額が20万円未満の資産に選択適用できます。個別に固定資産を管理せずに「一括で」3年かけて償却する資産のことです。一括償却資産は月割計算は行わず、いつ取得しても1年分、全体の1/3の減価償却費を計上します。なお一括償却資産の損金算入額は、確定申告時に法人税申告書別表十六(八)「一括償却資産の損金算入に関する明細書」で申告する必要があります。
このように、貴社は特例を適用しての損金か、一括償却による3年の均等償却か固定資産計上のうえ通常の減価償却かを選択することが出来ます。
早々にご回答ありがとうございました。
合理的な選択肢を検討し、処理したいと思います。
本投稿は、2022年10月20日 20時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。